名前にインパクトがあるが
【予選A-4】水都音楽祭2026 オンラインオーディション
開催日: 2026/08/01
Tarah Kikuchiという名前を追っていくと、単なる「アーティスト」という一言では収まりきらない、独自の音楽的感覚が見えてきます。宅録を出発点に作品を生み出し、現在はバンド編成での活動にも広がっているTarah Kikuchi。その歩みには、ロックを軸にしながら、さまざまな音楽的要素を取り込み、ひとつのジャンルだけでは説明できないサウンドへと変えていく面白さがあります。TuneCore Japanでは、ロックやサイケデリックをジャンルとして掲げ、東京を拠点に活動していることが紹介されています。
特に興味深いのが、その音楽的背景です。1970年代ロックを土台に、南米やフランスの音楽、さらにベッドルームポップ的な空気感までが交差するサウンド。古い音楽の質感をそのまま再現するのではなく、異なる文化や時代のエッセンスを混ぜ合わせながら、Tarah Kikuchiならではの現在形へと組み替えているところに魅力があります。そこへ日本語詞が加わり、不安や揺らぎを抱えながらも、どこかユーモラスな視点が差し込まれる。そのアンバランスさこそが、作品に独特の余韻を残しています。
作品を見ても、その活動は決して一過性のものではありません。『Greenback2 (Bonus Track Version)』『Science』を経て、2025年11月には8曲収録のアルバム『punctum』を発表。さらに「Blue Eyeshadow」も2025年にリリースされています。積み重ねてきた作品群を辿ることで、Tarah Kikuchiが一つの型に留まらず、音の可能性を探り続けていることが伝わってきます。
そして、もうひとつ注目したいのがライブでの展開です。2021年にはStrange BedfellowsとともにTarah Kikuchiを結成し、東京を拠点にライブ活動をスタート。PICNIC YOUのメンバーやシンガーソングライター、東京のアンダーグラウンドシーンで活動してきたドラマーなど、異なるバックグラウンドを持つメンバーが集結しています。個人制作からバンドへ。宅録の自由度と、生身の演奏が持つダイナミズム。その両方を行き来できることも、Tarah Kikuchiという存在を面白くしている要素でしょう。
SNSやYouTubeでは、作品だけでは伝わりきらない活動の温度にも触れることができます。ぜひ名前を見かけたときに一曲聴いてみてください。最初は「なんだ、この音は?」と思うかもしれません。でも、その違和感こそが入口です。聴き進めるほど、ロック、サイケデリック、ポップ、異文化的な響き、そして言葉のユーモアが絡み合い、独特の世界が浮かび上がってきます。
既存のジャンル名だけでは測れないものを、自分の手で組み立てていく。Tarah Kikuchiは、そんな刺激を与えてくれるアーティストです。これからどんな音を鳴らし、どんな場所へ作品を連れていくのか。新作『punctum』をひとつの現在地として、ここからさらに広がっていく活動に期待したいです。「まだ知らない音に出会いたい」そんな人にこそ、ぜひチェックしてほしいTarah Kikuchi。今後の動きから目が離せません。
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