最初は「なんか気になるな」くらいの軽い気持ちでした。

でも一度聴いたら、気づいたときには頭の中でメロディーが回っていて、ふとした瞬間に思い出してしまう。the Sickさんの音楽には、そういう不思議な引力があると思います。

うまく言葉にできない感情とか、理由は分からないけどモヤっとしている気持ちとか、そういうものをそのまま音にしたような感じがして、聴いていると「これ、今の自分の気分かも」と思う瞬間が何度もありました。派手に盛り上げるだけじゃなくて、心の奥に静かに入り込んでくるところが印象的です。

曲はキャッチーで聴きやすいのに、どこか繊細で、少し危うさもあって、そのバランスがすごくクセになります。何度も聴いているうちに、「また聴きたい」じゃなくて「聴いてないと落ち着かない」みたいな感覚になるのが不思議です。まさに中毒って言葉がぴったりだなと思いました。

ライブを想像すると、きっと音源以上に感情がダイレクトに伝わってくるんだろうなと思います。勢いだけじゃなくて、その場の空気ごと音にしてしまうような強さがあって、聴く側も自然と引き込まれてしまうんじゃないかなと感じます。うまく盛り上がれなくても、ただそこに身を置いているだけで成立する音楽、そんな印象です。

セミファイナル進出という結果は、偶然じゃなくて、こうして誰かの心に引っかかり続けてきた積み重ねなんだと思います。派手さよりも、ちゃんと刺さる音楽を続けてきたからこそ、ここまで来たんじゃないかなと、素人ながら感じました。

これから先、もっと多くの人がthe Sickさんの音楽に出会って、「なんか分からないけど気になる」「気づいたら何回も聴いてる」ってなるんだと思います。その入り口は人それぞれでも、最後はちゃんと中毒になる。そんな音楽を鳴らしているバンドだと思います。

セミファイナルのステージでも、無理に何かを変えず、今まで通りのthe Sickさんでいてほしいです。

その音が、その空気が、また誰かの心に残っていくと信じています。これからの一歩一歩を、ひとりのリスナーとして楽しみに、そして全力で応援しています。