この日のステージには、これまでの時間を積み重ねてきたグループが集まっていました。

どの演奏からもここまで続けてきた理由が伝わってきて、会場全体に落ち着いた集中感があったように思います。聴く側としても、一曲一曲を丁寧に受け取ろうという気持ちになりました。

水鏡さんのステージは、始まった瞬間から不思議と安心感がありました。派手な構成や強い主張ではなく、音がまっすぐに届いてくる感覚があり、自然と耳を傾けていました。

4年目のバラードバンドという言葉がしっくりくるように、声の重なりや間の取り方に無理がなく、聴いている側の気持ちを置き去りにしない演奏だったと思います。

特に印象に残ったのは、音量や表現を必要以上に盛らないところです。強く歌う場面でも、静かな部分でも、全体のバランスが崩れず、曲の流れがとてもなめらかでした。感情を押しつけるのではなく、聴く人の中に自然と入り込んでくるような演奏で、心にじんわりと残りました。

今回の全国決勝では、他の出演者の皆さんも本当に素晴らしく、それぞれに個性がありました。その中で水鏡さんは、競うというよりも音楽として丁寧に届ける姿勢が際立っていたように感じます。

長く続けてきたからこそ生まれる落ち着きや信頼感が、声の重なりから伝わってきました。

個人的に夜明けと夏の露さんのも好きでした。

私の推しは水鏡さんですが、どちらも派手さはないのに、聴き終わったあと気持ちが静かに整うような感覚があり、演奏が終わってからもしばらく余韻が残っていました。

このような曲に出会えたこと自体が、今回の参加の大きな収穫だったと思います。

全国決勝という特別な舞台で、水鏡さんの演奏を聴けたことは、とても貴重な時間でした。結果に関わらず、このステージで積み重ねてきた音をしっかり届けていたことが、何より印象に残っています