予選Cブロックの投票は、終了間際まで順位が激しく入れ替わる、稀に見る大接戦となりました。 私も画面の前で、手に汗握りながらその行方を見守っておりました。 「YouKey」さん、「瑞挙」さん、「HOPE's」さん。三者三様の魅力がぶつかり合う様は、実に壮観でございました。

まず目を引いたのは、「YouKey」さんの華やかさであります。 甘い歌声と、洗練された立ち振る舞い。 かつての歌謡界を彩った男性アイドルのような、理屈抜きに人を惹きつける「スター性」をお持ちです。 このブロックを序盤から牽引していたのも頷けます。彼のような方が一人いるだけで、場がパッと明るくなる。それは、エンターテイナーとして非常に得難い才能であります。

続いて、「瑞挙」さん。 彼の音楽は、非常に親しみやすいポップロックでございました。 どこか懐かしさを感じるメロディと、儚げで優しい歌声。 スピッツさんのように、奇をてらわず、良い曲を丁寧に届ける姿勢に好感を持ちました。 一度聴いただけで口ずさめるようなキャッチーさは、長く愛される歌の条件でもあります。最後の猛追は、彼の楽曲が持つ普遍的な力が、多くの人の心に届いた証左でありましょう。

そして、「HOPE's」さん。 彼女たちの音楽には、どっしりとした安心感がありました。 我々が慣れ親しんだ、古き良きJ-POPのエッセンスが詰まったようなサウンド。 ミドルテンポのリズムに乗せて、女性ボーカルの方が情感たっぷりに歌い上げる姿は、まさに「歌姫」の風格。 流行に左右されない、芯の通った音楽は、聴いていて非常に心地よいものでした。

華やかなアイドル性、普遍的なポップス、そして安心できる歌謡性。 どれが欠けても成り立たない、素晴らしい三つ巴の戦いでございました。 誰が勝者となっても、映画『金山雲丹物語』の主題歌として、素晴らしい彩りを添えてくれることは間違いありません。 熱い戦いを見せてくれた若者たちに、心から敬意を表します。