「生きづらさを歌う」その言葉をこれほどまでに切実かつ真摯に体現しているアーティストを、私は他に知りません。OTONOVA2026 セミファイナルという大舞台に立つ「なるとし」さんは、かつて敷かれたレールの上を歩んでいた日常から、発達障害・精神疾患の診断という予期せぬ転換点を経て、音楽という新たな光を掴み取った表現者です。

なるとしさんの音楽の根底にあるのは、ドロップアウトを経験した者にしか描けない「リアルな痛み」と、そこから自身と向き合い続けた中で見出した「光」です。彼の歌は、綺麗事だけでは救われない孤独や、社会との摩擦に疲れた人々の心に、静かに、しかし力強く突き刺さります。

　2024年に活動を開始したばかりでありながら、5月に三軒茶屋でのカフェライブを成功させ、12月には名門・青山の「月見ル君想フ」で80名を動員。さらに、2025年7月には渋谷「WWW」という聖地で150名のワンマンライブを成功させるなど、その歩みは異例とも言えるスピード感に満ちています。この急成長こそが、彼のメッセージを必要としている人がいかに多いか、そして彼の音楽が持つエネルギーがいかに強大であるかを何よりも雄弁に物語っています。

オンライン枠という画面越しのステージであっても、なるとしさんの歌声が持つ「温度」は決して失われません。むしろ、一対一で対話するような彼のスタイルは、オンラインという環境でこそ、聴く者のパーソナルな領域に深く入り込み、救いをもたらしてくれるはずです。

「生きづらさ」を抱えることは、決して終わりではない。なるとしさんは、自らの活動を通じてそのことを証明し続けています。今回のセミファイナルは、彼が積み上げてきた葛藤と栄光を、さらに大きな世界へと繋げるための重要なステップです。

なるとしさん、あなたの歌声が、今この瞬間も「生きづらさ」の中で抗っている誰かの背中を、そっと、しかし確かに押すことを信じています。この激戦のBブロックを勝ち抜き、さらなる高みへ。私たちはあなたの音楽を、そしてあなたの生き様を、全力で応援します！！