ライブや音楽の情報を眺めている中で、「楽しませたい」という気持ちがここまで素直に伝わってくるバンドは、そう多くないように思います。

ふぉーかうんとさんの言葉や音楽からは、肩肘を張らずに、まっすぐ聴き手と向き合おうとする誠実さが感じられて、自然と心が和らぎました。

名古屋を拠点に活動する4ピースロックバンドとして、日々音を積み重ねてきたからこそ生まれる迫力と一体感が、きっと楽曲の中に息づいているのだと思います。力強いボーカルは感情をストレートに届けてくれそうですし、キャッチーなギターリフは、何度聴いても耳に残り、ふとした瞬間に思い出してしまうような存在になりそうです。それぞれの音がしっかりと役割を持ちながら、ひとつの物語を作っているような印象を受けました。

「曲のどこを切り取っても楽しめる」という言葉には、音楽への自信だけでなく、聴く人への思いやりが込められているように感じます。特定のフレーズだけが目立つのではなく、曲全体を通して気持ちよく浸れる。そんな楽曲は、聴き手の心の状態にそっと寄り添ってくれるものです。

元気なときも、少し疲れたときも、自然と再生ボタンを押したくなる音楽なのではないでしょうか。

そして、曲が始まる前の「4つのカウント」に込められたワクワク感。その一瞬を大切にしている姿勢から、ライブという空間を心から愛していることが伝わってきます。音が鳴る前の静けさも含めて、すべてが音楽の一部。そんな感覚を大事にしているバンドだからこそ、会場全体を包み込むような空気を作れるのだと思います。

これから先、活動の場が広がっていく中でも、ふぉーかうんとさんの持つ「純粋に楽しませたい」という気持ちは、きっと変わらず音に乗り続けるはずです。

その音に出会う人が増えるたび、またひとつ、誰かの日常に小さな高揚感が生まれる。

そんな未来を想像しながら、これからの歩みを静かに、でも温かく応援していきたいです。