2025年12月、記念すべき10回目を迎えた「音楽ラバーのたまりbar」は、まさに音楽を愛する者たちの聖域と呼ぶにふさわしい盛り上がりを見せた。パノラマとラボラトリーが提示し続けてきた「音楽を軸にした自由な遊び場」というコンセプトが、この夜、一つの完成形に至ったと言える。会場とオンライン配信を繋ぐMudiaのプラットフォーム上には、開始直後から熱いコメントとギフトが飛び交い、リアルタイムで熱量が膨れ上がっていく様子が可視化されていた。
vol.10という節目もあり、セットリストや構成には並々ならぬこだわりが感じられた。パノラボ特有の、都会的でありながらどこか懐かしさを感じさせるグルーヴが会場を包み込むと、観客は自然とリズムに身を委ねていく。特筆すべきは、単なるライブパフォーマンスに留まらない「たまりbar」ならではの親密な空気感だ。アーティストと観客の距離が極めて近く、まるで気心の知れた仲間が集うバーで最高のセッションを聴いているような贅沢な錯覚に陥る。
ゲストとのトークセッションや企画コーナーでは、音楽に対する深い造詣とリスペクトが端々に感じられ、笑いの中にもプロとしての矜持が垣間見えた。このイベントの本質は、出演者と視聴者が「音楽が好きだ」という一点において対等に繋がれる点にある。最後の一音が響き渡り、画面越しの拍手が降り注ぐ中で感じたのは、この場所が多くの音楽ラバーにとって、明日への活力となる大切な居場所になっているという確信だ。10回という歩みが積み上げてきた絆の深さを証明する、伝説的な一夜となった。