MIOSIC惜しかった。
【予選A】NGT48の北村優羽主演!ふるさと映画 『金山雲丹物語』主題歌オーディション
開催日: 2025/11/22
映画『金山雲丹物語』主題歌オーディション、予選Aブロックの出場アーティストについて、楽曲の構成要素と市場適合性の観点から分析を行いました。本ブロックは、バンドサウンドからデュオ、ソロまで多様な形態が混在していましたが、共通して「楽曲の基礎体力の高さ」が際立っていた印象です。
まず、音楽的な構造において興味深かったのが「FiveLan」です。 彼らの楽曲は、ロックバンドというフォーマットを取りながらも、コード進行において非常にメロウで洗練されたアプローチ(テンションコードやジャズ的なボイシングの活用など)が見受けられました。 通常、こうした洒落たトラックにはR&B的なボーカルを乗せがちですが、彼らはあえて「等身大で絞り出すようなハスキーボイス」を合わせている。この「洗練されたオケ」対「泥臭いボーカル」というコントラストが、楽曲にフックを生み出し、聴き手の耳に残る要因となっています。歌詞のストレートさも、この声質と相まって説得力を増しています。
次に、「ザ6億光年ズ」。 彼らのビジュアルイメージは明白にビートルズへのオマージュですが、楽曲はそのルーツミュージックを単に模倣するのではなく、日本のポップス市場に受け入れられるよう巧みにローカライズ(日本風アレンジ)されています。 特筆すべきは、同期音源(シンセサイザーなど)に頼らず、バンドサウンド一本で勝負している点。この潔さが、逆に新鮮に響きます。 また、コーラスワークにおける「少年のような青さや未熟さ」は、技術的な欠点ではなく、リスナーの郷愁(ノスタルジー)を刺激する演出として機能しており、優しく暖かい歌詞の世界観を補完する役割を果たしています。
「MIOSIC」については、男女デュオの強みである「声域の広さ」と「ハーモニーの美しさ」が最大限に活かされていました。 ゆったりとしたアンニュイな曲調は、夜間の視聴環境に非常に親和性が高い。「君が好きだったギターを弾いてるよ」というフレーズは、具体的な情景描写として優れており、リスナーの個人的な記憶にアクセスするトリガーとなっています。個人的には彼らがブロック内でもクオリティは高かったし、頑張って欲しかった。
最後に「狐の嫁入り前」。 彼らの楽曲が持つ「浮遊感」は、近年のシティポップ・リバイバルの文脈に沿ったものであり、トレンドを押さえています。 甘いボーカルと緩いビートは、晴天時だけでなく、雨天時の在宅需要(インドアでのリスニング)にも適応できるポテンシャルがあり、サブスクリプションサービスでの再生数も伸びそうなタイプだと分析しました。
総じて、各アーティストが自身の強みを理解し、適切なアレンジと演出でパッケージングできている、レベルの高いブロックでした。
レビューやコメントを投稿するとギフトがもらえる!
ログインしてコメントする


