賞金100万円、ネットで繰り広げられる「本気」の音楽バトル
LiveHouse カナデミア ×OTONOVA 予選B
開催日: 2025/10/18
最近はもっぱら家で音楽を聴くことが多いが、ネットを眺めていると、実にいろいろなイベントがあるものだと感心させられる。先日も「OTONOVA2025」というオンラインオーディションの存在を知った。これがまた、単なるお祭り騒ぎではないことに驚かされた。
グランプリには「賞金100万円」「MV制作権」「サウンドプロデューサー賞」など、今後の活動を本気でバックアップする特典が並んでいる。私が若い頃には考えられなかった規模の「アーティストバトル」が、いまやオンライン上で繰り広げられているのだ。
「オーディエンスを一番熱狂させるのはだれか」というキャッチコピーが、その熱量を物語っている。ファンが投票で応援し、未来のスターを発掘するという仕組み。昔のようにデモテープを送ったり、ライブハウスのノルマに追われたりするのとはまた違う、現代ならではの厳しさとチャンスが同居しているのだろう。
先日、ちょうど「予選B」の参加アーティスト一覧を目にする機会があった。これがまた、非常に興味深い顔ぶれだった。
「和久リョーヘイ」さん。名前の響きから、アコースティックギター一本で、じっくりと歌を聴かせるシンガーソングライターだろうか。私のような世代にも馴染みやすい、日本語を大切にしたメロディを期待してしまう。
一方で、「KIS Sound Studio Official Band」という名前も。スタジオの公式バンドとは一体何者なのか。卓越した技術を持つプロ集団なのか、それともスタジオの看板を背負った若手なのか。いずれにせよ、一筋縄ではいかない演奏が聴けそうだ。
他にも「米林」さん、「Viva」さん、「胡桃沢はな」さん。こうして名前が並んでいるのを見るだけでも、そのジャンルやスタイルは見事にバラバラであることが想像できる。「米林」さんは素朴な弾き語りかもしれないし、「Viva」さんは情熱的なラテンロックかもしれない。「胡桃沢はな」さんは可憐な見た目から想像もつかないようなパワフルな歌声を持っているかもしれない。
この異種格闘技戦のような顔ぶれが、同じ土俵で「バトル」するというのだから面白い。何を基準に順位が決まるのか。私が好きなUruや宇多田ヒカルのような、声の魅力とメロディラインの美しさで聴く者を惹きつけるタイプのアーティストはいるのだろうか。
技術的な巧みさか、観客を巻き込むパフォーマンスか、それとも心を打つ歌詞の世界か。賞金100万円という現実的な目標が、それぞれのアーティストの「本気」をさらに引き出しているに違いない。
若い頃にギターをかじった身としては、ここまで「本気」で音楽に人生を賭けることはできなかった。だからこそ、こうして真正面からぶつかり合う彼らの姿は少し眩しく、無性に応援したくなる。この予選B、なかなか熱い戦いになりそうだ。
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