→ レポートトップへ

ファンレポート
facebookXLINEHatena

Sincaの進化

ONLINE Sinca

【予選A-1】水都音楽祭2026 オンラインオーディション

開催日: 2026/08/01

「これは何のジャンルなのだろう?」Sincaの音に触れたとき、そんな疑問が浮かぶかもしれません。けれど、その問いに無理やり答えを出そうとするより、ジャンルの境界を軽々と飛び越えていく存在として捉えたほうが、Sincaという表現者の面白さは見えてきます。


愛知県を拠点に活動するSincaは、ダンス・エレクトロ、オルタナティブ、IDMなどを背景にしながら、ギターとラップトップを組み合わせた独自のスタイルを展開するelectronica bandです。ギタリストであると同時にプログラマでもあるというプロフィールからも、Sincaが単純に「楽器を演奏するバンド」ではなく、音そのものを構築することに関心を持っていることが伝わってきます。


生身の人間が弾くギターには、微妙な揺れや息遣い、瞬間的な判断があります。一方、コンピューターによって作られる音には、緻密な設計や無機質な正確さがあります。Sincaの興味深いところは、その両極にあるような要素を同じフィールドへ持ち込み、互いを打ち消すのではなく、むしろ刺激し合わせているところでしょう。


楽曲を見ても、「Input」「Sol fixture 0」「Sleeping」「Acid Ole」「Child package」など、タイトルからして一筋縄ではいかない世界を感じさせます。そこには、分かりやすいメロディや既存のジャンルだけに寄りかかるのではなく、音色やリズム、構造そのものを表現材料として捉える姿勢があります。


そして、Sincaを語るうえで見逃せないのが、過去の活動から現在へと形を変えてきた点です。旧名義からSincaへと移行しながら活動を続けていることは、ひとつのスタイルを固定するのではなく、その時々の感覚やアイデアに合わせて表現を更新してきた証ともいえます。


だからSincaは、「何系のバンドです」と一言で片付けるよりも、変化していく過程そのものを追いかけたくなる存在です。


ギターと電子音、演奏とプログラミング、身体性とデジタル。その間にある境界線をどう崩し、どんな新しい音へ変えていくのか。そこにSincaの大きな可能性があります。


今のSincaだけを見るのではなく、この先どんな音へ向かっていくのかまで含めて注目したい。聴くたびに新しい発見を残してくれるような、そんな存在として、これからの展開を楽しみにしたいアーティストです。

オーディエンス参加型イベントメディア


Mudiaの楽しみ方

オーディエンス参加型イベントメディア

JASRAC許諾
第9022815001Y45037号