声と余白に引き寄せられた夜、柴田ヒロキという存在
ソナコミ忘年会
開催日: 2025/12/29
今回のテーマをきっかけに、あらためて柴田ヒロキの音楽に触れる時間を持った。正直に言えば、名前や存在は以前から知っていたものの、じっくり向き合う機会はこれまで多くなかった。けれど実際に作品を聴き進めていくうちに、その距離感は自然と縮まり、気づけば一曲一曲に耳を澄ませている自分がいた。
最初に印象に残ったのは、声そのものが持つ温度だった。強く主張するわけでも、過度に感情を煽るわけでもないのに、言葉がすっと胸の内側に入り込んでくる。その理由を考えていると、音と音の間にある余白の使い方や、言葉選びの静かさが、聴く側に想像の余地を残しているからなのかもしれないと思うようになった。歌われている内容をそのまま受け取るだけでなく、自分の経験や気持ちを重ねて聴ける感覚があった。
楽曲全体の雰囲気からは、日常の中でふと立ち止まる瞬間や、言葉にしきれない感情を大切にしているような印象を受けた。派手さよりも誠実さが前に出ていて、それが結果的に強い説得力につながっているように感じられる。聴いているうちに、音楽というよりも誰かの心の内をそっと覗かせてもらっているような、不思議な距離感が生まれていた。
また、メロディやアレンジも、声を引き立てるために丁寧に組み立てられているように思えた。主役がどこにあるのかがはっきりしているからこそ、余計な引っかかりがなく、自然と最後まで聴き続けられる。何度も聴くうちに、最初は気づかなかった細かな表情や、フレーズの奥行きが見えてくるのも印象的だった。
今回のテーマを通して感じたのは、柴田ヒロキの表現が、時間をかけてじわじわと心に染みてくるタイプのものだということだ。一度で全てを理解した気になるのではなく、聴くたびに少しずつ受け取り方が変わっていく。その変化を楽しめること自体が、この音楽の魅力なのだと思う。
これから先、どんな言葉や音で、どんな景色を見せてくれるのか。まだ深く追いきれていないからこそ、次に触れる作品が楽しみでならない。今回の出会いをきっかけに、これからも継続して耳を傾けていきたいと思わせてくれる、そんな存在感を強く感じた。
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