映画『金山雲丹物語』の主題歌オーディション、予選Aブロック、お疲れ様でした！

ここ一週間腰痛で倒れ込んでいましたが、、、
ちょうど別ブロックで推しが出ていたので得意の予習で他のアーティストさんたちも見てみようと思っていました。

いつもわりとブロックごとに雑多なアーティストが多い中、わりと一貫性というか
共通項が一つ二つみえるような組み合わせで面白く拝見してました！

今回は、それぞれのアーティストが持つ「アンサンブル（合奏）」の形が非常に個性的で、楽器経験者としても聴き応えのあるブロックでした。

まず、私の耳を捉えて離さなかったのが「FiveLan」さんです。 彼らの楽曲は、一聴すると激しいロックバンドのサウンドなのですが、バックで鳴っているギターやベースのコード進行が、非常に「メロウでおしゃれ」なのです。単純なパワーコードで押すのではなく、テンションノートを含んだような複雑な響きを感じさせ、それが楽曲に奥行きを与えています。 その洗練された演奏の上で、ボーカルの方の「等身大で絞り出すようなハスキーボイス」が響く。 この「洗練された伴奏」と「泥臭い歌声」の対比（コントラスト）が、楽曲に強いフックを生み出しており、非常に計算された、あるいは天性のバランス感覚を持ったバンドだと感じました。

次に、「ザ6億光年ズ」さん。 アーティスト写真を拝見した時、ビートルズへのオマージュを感じてニヤリとしてしまいましたが、楽曲もその期待を裏切らない、素晴らしいバンドサウンドでした。 最近は同期音源（シンセサイザーなど）を多用するバンドも多い中、彼らはギター、ベース、ドラムという「バンドサウンド一本」で勝負している潔さがあります。 洋楽のルーツを感じさせつつ、日本的なメロディに昇華させるアレンジ力。そして何より、「コーラスワーク」が素晴らしい。 完璧にピッチが整った機械的なコーラスではなく、どこか少年のような「青さ」や「未熟さ」を残したハーモニーが、楽曲の持つ優しさや温かさをより一層引き立てていました。学生時代、仲間と声を合わせて歌った時の高揚感を思い出しました。

そして、「MIOSIC」さん。 男女デュオならではの、声と声が織りなすハーモニーの美しさは、やはり格別です。 ゆったりとしたアンニュイな曲調の中で、お二人の声が溶け合う瞬間は、管楽器の美しい和音を聴いているような心地よさがありました。 歌詞の中に「君が好きだったギターを弾いてるよ」というフレーズがありましたが、楽器を演奏する人間として、この言葉には胸を打たれました。楽器の音色に想いを乗せる、その切実さが伝わってくる名演でした。

それぞれの編成の強みを活かした、素晴らしい音楽の数々。 映画のスクリーンで流れるのがどの曲になるのか、非常に楽しみです。