エマージェンザ・ジャパン2026東京予選第2戦に参加し、たくさんのバンドの演奏を聴きました。
その中で、後から思い返す時間が一番長かったのがcocoon experiencesさんでした。

最初はインストゥルメンタルということで、正直どんな感じなのかよく分からないままステージを見ていました。

演奏が始まってすぐに感じたのは、音がうるさくないということです。

ライブハウスなので大きな音は出ているのに、耳が疲れない不思議な感覚がありました。

派手な盛り上がりを作るというより、落ち着いて音を重ねていくスタイルで、気づいたらずっと聴いていました。

歌がない分、集中しないと置いていかれるのかなと思っていましたが、実際は逆でした。

考えなくても自然と流れに乗れる感じで、途中からは音を追いかけるというより、ただ聴いている状態になっていました。立ったまま見ていたのに、時間があっという間に過ぎたのが印象的です。

他の出演者もそれぞれに良さがありましたが、cocoon experiencesさんは少し違う場所にいるように感じました。

自分を強く主張するのではなく、会場全体を静かにまとめているような立ち位置で、ライブの流れを変えていたと思います。

どの曲が良かったかと聞かれると具体的なタイトルは出てこないのに、全体の印象だけははっきり残っています。それは音の一つ一つが丁寧だったからだと思います。

次にまたライブで見かけたら、今回よりももう少し意識して聴いてみたい、そう思わせてくれるステージでした。