Schemaさんの2次予選通過、おめでとうございます。

ステージに立たれた瞬間から感じたのは、彼らの音楽に宿る静かな自信と、丁寧に作り込まれたサウンドの完成度です。

宇都宮を拠点に活動されながら、下北沢やみなとみらいなど、限られた環境の中でも着実に表現を磨き続けてきたことが、演奏のひとつひとつにしっかりと現れていました。

宅録で培われた音作りの経験は、ライブでもそのまま生かされており、3人という最小限の編成ながら、音の重なりやアレンジに深みがあり、演奏の隙間からも緻密な計算と遊び心を感じることができました。

曲ごとの強弱やテンポの変化が自然で、観客を意識した押し付けのない表現は、聴く者に心地よい余韻を残します。

演奏中のメンバーの呼吸や視線の合わせ方も非常に印象的でした。それぞれが自分のパートに集中しながらも、互いの音や動きに耳と目を向けている様子から、3人の間に築かれた信頼感が伝わってきます。

その緊張感と余裕のバランスが、ステージ全体に一体感を生み出し、観る者に安心感と期待感を同時に抱かせました。

また、演奏だけでなく、音楽に対する姿勢や表現の丁寧さが感じられた点も印象深いです。曲の中で見せる強弱のつけ方、静かなパートでの情感の込め方は、単なる若さや勢いだけでは成し得ない成熟を感じさせます。

観客としては、ただ耳で聴くのではなく、ステージ全体から放たれる空気や感情を感じ取り、心が自然と揺さぶられる瞬間が何度もありました。

今回の2次予選通過は、Schemaさんがこれまで積み重ねてきた努力と実力の証であると同時に、今後の活動への確かな一歩であると感じます。これからも彼らの演奏が、多くの人々に感動と心地よい余韻を届けてくださることを、心より楽しみにしております。