残響
この2人の発音体から鳴る言葉は、
真っ暗な地下奥深くではあまりに小さく優しいのに、
薄汚れた壁や床にも負けず、
力強く反射を繰り返し、
地上へと這い上がってくる。
傷つき消えそうになりながらも、美しいままの言葉。
それはやがて静かに誰かの心を照らす、闇の中で灯る光のような言葉。
地下奥深くから、今度は触れた人の心の奥深くへとゆっくり沁み込んでいく。
街で2人組の女の子を見かけるたびに、
「あれ?? 残響??」
と思ってしまうくらいには既に毒されている。
この響きは僕らの心の中で、どんな波紋を広げていくんだろう。
2025/03/22