佐藤汐さんは、宮城県出身のロックアイドルである。セツナ系ロックと銘打った楽曲を携えて関東圏で活動されている。

可憐な出で立ちはもとより、類稀なる音楽センス、リズム感が織りなすパワフルなパフォーマンスは、見る者すべてを魅了する。

かつてライブで坂本冬美さんの「夜桜お七」をカバーされたことがあるが、曲の本質を的確にとらえており、秀逸なステージだった。弘田三枝子さんから坂本冬美さんへと受け継がれた歌の真髄、佐藤さんはそれを見事なまでに吸収し、ご自分の表現としてアウトプットされていた。

佐藤さんはこれまでに、かなり厳しい条件のライブにも果敢に挑んでいる。例えば、持ち時間5分の屋外駐車場ライブの時は、外周すべてを使い、走りながらの歌唱を披露。時間の制約を空間で補うという最強のパフォーマンスだった。また、近日では音響トラブルによりオケ音源が止まったにも関わらず、観客の声援と共にアカペラで最後まで歌い切るという、究極のステージを成し遂げた。すばらしい機転とプロ意識に心底感動した。

佐藤さんのすばらしさは、高い自己肯定感、表現やモノづくりへの関心、変化を楽しむ心の三大要素をしっかり持っておられることである。これらは生き抜くための本質だと思う。これからも佐藤さんのご活躍を見守っていきたい。