特撮Boyzという名のチャンス
Artists League【セクシーメンズステージ】
開催日: 2021/10/24
友人との待ち合わせに少し遅れてしまった。小走りで見慣れた改札を抜け、本格的に走り出そうとした。その時、喧騒の奥から微かに音楽が聴こえた。誰かが歌っている。友達からの着信に気づきながらも、それに出ることはしなかった。できなかったという方が正しいかもしれない。引き寄せられるように音の出所に向かえば、そこには歌い、踊り、太陽の光を浴びてキラキラ輝いている8人のヒーローがいた───もしくは───仕事終わり、もう既にヘトヘトな身体は、帰路につく人々で溢れた駅に向かうのを拒む。それでも家へ帰るには駅に向かわなければならない。気持ちと共に、目線がつい下がる。「仕事、辞めようかな」ふとそんなことまで思ってしまったわたしの視界の中に、ティッシュを持った黒い手が入ってくる。思わず目線を上げるとそこには私の目を見てにこにこと微笑みかけてくるヒーローがいた───特撮Boyzとそんな出会い方をしていたら、と思う時がある。生憎、私はこんなドラマティックな出会い方はしていない。でも、特撮Boyzに出会った日のこと、私の生活に、人生に、ヒーローたちが飛び込んできた瞬間、ドラマティックではなくともまるでドラマが始まったかのような瞬間のことは一生忘れられないだろう。このレポートでは、私自身の特撮Boyzとの出会い、そして彼らを応援したいと思うきっかけになった彼らの魅力について述していきたいと思う。
私が特撮Boyzのライブを初めて観たのは、2020年、夏の終わり、渋谷にあるCDショップのイベントスペースだった。元より、特撮Boyzの存在は知っていた。初めて名前を聞いた時を思い返すとすれば、遡ること3年前、当時高校2年生、クラスメイトの友人がこう叫んだ時だろう、「特撮Boyzって何!?」何事だ。取り乱す彼女に、どうしたのかと問えば、応援している俳優が、特撮ヒーローユニットに所属することになった、というのだ。何がなんやら、さっぱりだ。その時の私はといえば、好きなアイドルグループに夢中で、事あるごとに日本中を駆けずり回っていた。そんな私からすれば、「友人の好きな俳優が、特撮Boyzという特撮ヒーローユニットに所属する」というニュースはそう大きなものには値しなかった。この時の私に会いに行けるなら「悪い事は言わないから特撮Boyzのファンになれ」と言いに行きたい。兎にも角にも、当時の私は特撮Boyzという存在をスルーした。幾度とある「逃したチャンス」の1回目だ。
それ以降の高校生活でも、存在をスルーし続ける日々が続く。その間も友人は特撮Boyzのライブに通っていた。高2から高3になっても特に変わることはなかった。私はアイドルを追いかけ、友人は特撮Boyzを応援していた。もうそろそろ高校生活も終わる、そんな頃に2回目のチャンスが来る。2020年2月14日、特撮BoyzのファーストワンマンがTSUTAYA O-WESTで開催された。友人がこのライブに招待してくれたのだ。だが、当時の私はこう断る、「ごめん、その日名古屋。」アイドルを追っかけ日本中駆けずり回っていた、というと嘘っぽく聞こえるかもしれないけど、悲しいくらいにしっかりとした真実だ。これが2回目の「逃したチャンス」だ。
3回目はすぐ訪れる。2020年3月1日、高校の卒業式の日のことだ。その日、特撮Boyzは都内でフリーライブを開催予定だった。例の友人の布教により既に特撮Boyzを応援していた2人の友人とわたしとで、そのライブに足を運ぼうと計画していた。だが、このフリーライブは、新型コロナウイルス感染拡大防止のために中止になってしまい、計画は頓挫したのだった。3回目の「逃したチャンス」は、私の不徳の致すところではないので「逃した」と言うと少々不服なのだが、この憎き新型コロナウイルスが、この後訪れる特撮Boyzと私との出会いに大きく関わってくるのだ。
先に言ってしまうが、次に訪れるチャンスを私は掴む。そして、その時掴んだチャンスは、「愛」「勇気」色々なものに形を変えながらも、今も私の手の中にある。
ここで話を何個か前に戻す。2020年、夏の終わり、渋谷にあるCDショップのイベントスペースで私は特撮Boyzのライブを初めて観ることになる。特撮Boyzに出会う少し前、2020年春、私の大学生活が始まった。だが、それは想像していた華やかな日々とはかけ離れた、家でただひたすらオンライン授業を受ける日々。高校時代必死で追いかけ続けたアイドルのことは大学生になってからもずっと好きだった。でも、私の気持ちなんて関係なしに、新型コロナウイルス感染拡大防止のためにライブはどんどん中止になっていく。その度心をぽっきり折られるような気持ちになっていた。「全部全部コロナのせいだ」泣きたくても怒りたくても、誰も悪くない。でも、私だって悪くない。そんな鬱々とした気持ちを抱えながら、大学1年の春から夏にかけての2度と戻らない19歳の日々を、家で1人で過ごした。でも、本来が別にそこまでネガティブな人間じゃないので、「落ち込んでても仕方ないし今しか出来ないことしよ〜」と持ち直した私は髪をピンクにした。そうすると、次は誰かに見てもらいたくなる。誰かに会いたくなる。せっかくのピンクだって、誰にも見せなきゃ黒と同じようなものだ。そうして、私は卒業以来連絡を取っていなかった、例の特撮Boyzを応援している友人に連絡することにした。こんなご時世だし、ご飯は誘いにくい。観たい映画もない。映画なあ、ネトフリで観ちゃうしなあ。そういや、最近ライブ行ってない。ライブ見たいなあ。あー、そういえば卒業式の日に観にいく予定だった特撮Boyzのライブ、結局観れてないなあ。ライブ今やってるのかなあ。色々思考を巡らせた私は、特撮Boyzのサイトを開き、比較的近場の渋谷でのライブが近日開催予定であることを知った。私は、友人にこう連絡を取った、「これ行ったら(友人)に会える?」。友人は予定を合わせてくれて、2人で渋谷のCDショップに向かうことにした。渋谷に向かう道中、久しぶりに会う友人との会話は少しぎこちなかったかもしれない。今現在、毎週のように特撮Boyzのライブで顔を合わせ、下手したら高校時代よりもずっと仲良くなった私たちが、卒業以来初の再会を果たしたばかりのぎこちない私たちを見たら面白くて仕方ないと思う。
そして、迎えた初めての特撮Boyzのライブ。友人の推しと、もう1人の友人の推しのチェキ撮影券を購入した私は、前から2列目、一番下手寄りの席に座っていた気がする。友人に借りたペンライトを無点灯で見たことは鮮明に覚えている。この日のことを話すと長くなるが、4.5曲程度、30分程度のライブで私はどっぷり特撮Boyzにハマる。「オレンジの人かっこよかった…」とチェキ券を買い足すくらいにはハマる。帰りに寄ったファミレスで次週末の千葉でのライブを予約する程度にはハマる。かくして、私は4回目で、逃し続けていたチャンスをこの手に掴むことに成功したのだ。以上が、特撮Boyzと私との出会いだ。
ここからは特撮Boyzの魅力について書いていこうと思う。1番に思いつく特撮Boyzの魅力といえば、老若男女に愛されているところだろう。特撮Boyzのライブ会場には、脚色なしで、赤ちゃんからおじいちゃんおばあちゃんまでいろいろな年代、性別の人が応援に来ている。まさに、みんなのヒーローなのだ。ペンライトの光、鈴の音、たくさんの彼らを応援したいという気持ちに包まれ彼らはステージで輝いている。
また、楽曲のジャンルの幅が広いのも彼らの魅力だろう。私が特に好きな楽曲は、今回アーティストリーグの公開収録でも披露された「エール 」だ。初めてライブを観た日に、ヒーローが「がんばれ」と実直に叫ぶ姿に胸を打たれた日が懐かしい。「エール」以外にもいろいろな楽曲があり、かっこよかったりかわいかったり楽しかったり切なかったり、きっとあなたの心に刺さる一曲があると思う。YouTubeには楽曲の動画が上がっていて、またサブスクでの配信もあるので是非お気に入りの一曲を見つけてほしい。
これ以外にも書ききれない程の魅力がある特撮Boyzには8人のメンバーがいる。そして、それぞれ俳優としての活動なども行っている。それ故、ライブやビラ配りなどの活動に8人全員が揃わないこともある。だが、個人がそれぞれ向き合うべき仕事に向き合い、活動に参加できないメンバーの分も頑張り、そうして8人揃った時にそれぞれがためていた力が集まり1つになりより一層輝くのだ。メンバーが揃わないと言うと、聞こえが悪いかもしれないが、これも彼らのヒーローらしい魅力だと私は感じている。みんなそれぞれ違った魅力がある8人なので、きっとあなたにとって特別なヒーローに出会えるだろう。
活動としては、関東(千葉、東京、神奈川、埼玉が基本。今後は茨城でのライブも決まっている)でのフリーライブの他にも、TwitterやInstagramでの活動、TikTokの投稿、YouTube等での配信など、ライブ会場に足を運べなくても、ヒーローは私たちに元気をくれる。以上が私が思う特撮Boyzの魅力だ。私の疎い言葉で伝え切れるようなものではないので、実際にあなたの目で彼らのパフォーマンスを見てほしい。
このレポートの冒頭で、2つの「こんな出会い方をしていたら」という妄想を書いた。特撮Boyzが行っている、駅前等でのフリーライブ、ティッシュ配りの活動をきっかけに出会っていたら、と時々考えることがあるからだ。実際に、今現在特撮Boyzを応援しているファンの中にもこのような出会い方をした人がいる。上記したように彼らに出会った私は、ドラマティックな出会いを時々羨ましく感じることもあるけど、別に特筆すべきようなドラマティックな出会いをしなくたって、その日に「ドラマ」を始めれば、それはドラマティックな思い出に変わるのだ。ドラマの登場人物はあなたと、8人のヒーローだ。私が4度目の正直で掴んだチャンスの名を、「特撮Boyz」と言う。このレポートを読んでくれたあなたがもしこのチャンスを掴みたいのなら、掴むのなら、今しかない。チャンスは掴んだ瞬間に形を変える。それは「元気」になるかもしれないし、「愛」かも、「勇気」かもしれない。何になるかはわからない、それでもきっと、一度掴んだらもう離したくなくなる、離せなくなる。ヒーローが戦う姿をずっと見ていたくなる。今、この瞬間、目の前に転がっているチャンスを掴んでみたら、きっとあなたがピンチの時にヒーローが助けにやってきてくれるだろう。今この瞬間にドラマを始めよう。チャンスを掴んでドラマに変え、登場人物に「特撮Boyz」という8人のヒーローが加わったあなたの人生はきっともっとずっと輝くだろう。
チャンスを掴むなら今だし、ドラマを始めるなら今だ────
長くなってしまったけれど、とにかく歌もダンスもアクションも、とにかく一生懸命なパフォーマンス、老若男女に元気を与えるヒーローユニット「特撮Boyz」を今これを読んでくれているあなたと一緒に応援できたらとっても嬉しいです。よろしくお願いします。
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