私が応援するAATAさんはシンガーソングライターだ。しかもかなり上質な部類に属していると私は思っている。何と言っても、その声は一度聴いた人の心を掴んで離さず、心地よいリズムとメロディーに乗せて繰り出される珠玉の言霊たちは、私の日々の暮らしの中に深く浸透しようと押し寄せてくる。ファンになってまだ日は浅いが、すっかり攻略された私の毎日は、いつでもどこでも彼女の曲と共に流れていくようになってしまった。　

　そんな彼女がラジオに挑戦すると言う。 何よりも自らの「声」を最大のアドバンテージと捉えている彼女は、「歌」だけではなく「声」を使ったさまざまな仕事に興味があるようだ。確かに、聴いた人の心にしっかりと突き刺さるその声は、本人が思う以上に大きな武器だろう。ラジオというフィールドは、そんな彼女が翼を大きく広げることのできる新しい世界なのかもしれない。

　今回のMudia様の企画「Radio Star Audition」では、3ヶ月のレギュラー番組枠の権利がかかっている。しかもその番組では、誰かが作成した企画に乗って、誰かが書いた原稿を読むだけというのではなく、企画の段階から本人の意向を取り入れて番組が作られていくもののようだ。

　これって何かに似ていないだろうか？

　シンガーソングライターは、伝えたい言葉を、メロディーを、一握りの楽曲に包み込んで自らの声で歌い上げる。最初のひらめきから楽曲を組み立て、アレンジャーの手を経て完成した一曲になる。そしてそれを自らの声で私たちに届けてくれる。

　もしかして、それはラジオの現場も同様ではないだろうか。最初にアイデアがあって、ディレクターさんらと共に番組を作り上げる。もちろん、最後は自らの声で電波に乗せて私たちに届けてくれる。シンガーソングライターである彼女が今まで積み上げてきた楽曲の制作というスキルが、ラジオ番組の制作に生かされると考えることに、大きな齟齬はないだろう。

　今回、彼女はとても具体的な形で「声で遊ぼう」企画を提案している。毎回ゲストを招いて「声」をキーワードに様々な体験をしていくというもののようだ。既に企画はできている。あとは、番組スタッフとともにこれを膨らませて、より楽しい番組へと育てるだけだ。おそらく、もう彼女の得意分野だ。ラジオの向こうから笑顔を届けてくれるであろうAATAさんに、期待しかない。

　ファイナルに残った出演者の皆さんは、どなたも素晴らしいパフォーマーのようだ。この中でAATAさんがどこまで健闘できるのか私にはわからないが、素敵な結果を信じて応援し続けたい。頑張って！