全身真っ赤でポニテのキャラクター それYukkaです!
Artists League【Z世代ステージ】
開催日: 2021/11/28
プロフィール画像を見て「えっYukka?どんな子なんだろう」って思った方、おそらくいらっしゃると思います。ここで、少しでも気になった方のためにYukkaという「赤い全身タイツでスキージャンプのテレマークのようなポーズをキメこんだ女の子」(画像)を私の知りうる範囲内ですがレポートしたいと思います。
まず、Yukkaとの出会い。それは3年になるかならないか位前の話になります。
場所は神奈川・ミューザ川崎ゲートプラザ。現在は終了してしまいましたが、演奏者・観客両者にとって非常にありがたい公認で路上ライブが楽しめた場所だ。また復活して欲しい。
当時はまだYUKIKAというアーティスト名で活動していた頃で、私が目当てにしていたアーティストではなかったので正直「誰?」って感じではあったが、せっかくなので聴いてみることに…。
ここで、その頃の私は色々なライブバーやライブハウスに通っていた時期で、弾き語りのシンガーソングライターは多少の違いはあるにせよ、まだまだ完成度が低く、言葉は悪いが似たり寄ったりな感じの印象なのだが、私自身そういった音楽環境の雰囲気は嫌いじゃなかったので、出演者の良いところを探しながら聴くというスタンスをとっていた。
YUKIKAは演奏の準備を整え、自身のオリジナルタオルをマイクにかけて歌いはじめると、私はいつもの感じで聴き始めた。「歌いっぷりが良く勢いのある子だな」と思ったのがその時の印象だった。強いて言うなら、デビュー当時の相川七瀬。私はそう感じた。決して言い過ぎではないと思う。うまく歌おうというよりは、若く荒々しい感情をそのままぶつけて歌い上げる姿がどことなくダブって見えたんだ。
時は流れて、数ヶ月後。YUKIKAの存在すら忘れかけた頃、また"同じ場所"で出会った。「おー、あの子か!」すぐ思い出した。あのエッジの効いた歌声がまだ脳裏に引っかかっていたんだと思う。忘れもしない歌声だった。また、翌日に迫った「カワサキストリートミュージックバトル(KSMB)10」という、かつてはあのセカオワも出場したことのあるコンテストにも出場するとのことで、益々興味が湧いた。
そして当日。KSMB10ファーストステージ。ワクワクして駆けつけた。もちろんこの時はYUKIKAが目当てだ。
始まるとやはり実力者揃い。上下黒の衣装に真っ赤なハイカットのスニーカーはインパクト大。アコギとエレキを携えて登場したYUKIKAは少し緊張気味。そんな中、持ち時間が限られたコンテストでは決して得策とは言えないコール&レスポンスの指南をし始める。それでも、彼女流のやり方で上手に場を盛り上げ、普段はすることがない私自身もついつられてやってしまったほどだ。
覚えているのは『フローサイトメトリー』という曲。
ワクワクするイントロから可愛らしい曲調に面白い歌詞と世界観、オレンジピンクのキュートなエレキは忘れられない。今でも私の中のYukkaのイメージはその時のイメージだ。
今度いつ聴けるのか分からない。かなり迷ったがCDが欲しくなり、既に物販を引き上げていたYUKIKAを呼び止めてこう聞いた。
「CDってありますか?」
すると、仕舞い終わったカバンの中を開けて3枚のCDを見せてくれ、元気な対応で「有ります!」と。
「いま一番おすすめのCDはどれですか?」と尋ねると、「『MINE』は出したばかりでおすすめです」と返ってきた。それならと即決で購入。頬の上あたりに赤いチークでいたずら書きしたような斬新メイクだったが、素直で可愛らしく気さくでとても好印象の女の子だった。
家に着いてすぐ聴いてみた。私はアルバムの場合、通しで聴いて評価する方だか1曲1曲の完成度が高くびっくりしたのを覚えている。自作したCD-Rからはとても想像できないほどのクオリティーの曲たちが…。メジャーアーティストでもここまで満足できるアルバムはそうそうお目にかかることはできない渾身の作品。掘り出し物だった。
あと、アルバムのジャケットを見ると「9の上にMINE?」。これって、歌詞で韻を意識して言葉選びをしていている様に、NINEとMINEで韻を意識してデザインしたのかな?とか思ったりした。
その後はYUKIKAが関東遠征に来るたびに追いかけることになる。
彼女はサービス精神にあふれ、コンテストでも行なっていた様に、自分のやって欲しいことをその場で指南して盛り上げる。テンションがあがってくるとライブ会場を息を切らしながらところ狭しと無邪気に走り回る。時にはステージ下まで降りてきてイェーイとハイタッチ。一方では魂の骨太ロックを激しく聴かせる。
しかし、まだ客は少ない…。
でも、そんな自由で楽しい空間、私はすごく好きだ。
ところで、コンテスト(KSMB10)の方だが、1stステージ審査員賞、2ndステージでは優秀賞を頂きファイナルに勝ち上がった。2ndステージでは審査員長の方に「これからの女性ロックを引っ張る存在になっていく」という嬉しいお言葉を頂いたことも、ここで付け加えておきたい。
これはまだ新型コロナウイルス前の話です。
関西在住のYUKIKAはひと月半に1回ぐらいのペースで関東遠征(主に横浜・川崎)に来ていた。KSMB10がファイナルに進むことになったため、月イチで当時の関東YUKIKAバンドのメンバー達と、バンドとしての熟練性を高めるためライブを計画的におこなっていた。成果も徐々に表れ始めた矢先、新型コロナウイルスの蔓延だ。そして、ファイナルまであとひと月という段階での延期。勢いが増してきただけに関東YUKIKAバンドにとっては痛過ぎる現実だ。その時は正直言って、毎回ライブハウスに足を運んで彼女達の成長を見てきたので"いける"と確信めいたものを感じていたのにとても残念だった。
その後も、更なる延期につぐ延期。移動がはばかられる状況の中、YUKIKAは関西、バンドメンバーは関東と演奏すら難しい状況になり苦境に立たされることになる。
YUKIKAはYukkaへと改名。
コロナ禍でステイホームを強いられる中、色々なことを考え、創造・制作し、新たなチャレンジへと踏み出す。
そもそもYUKIKAというアーティスト名、韓国にも同名の人気のアーティストが存在し、色々と不具合やストレスになることもあったらしいので、流れ的には自然なことではあるが馴染みのあるアーティスト名を変えるのは勇気が要ったことだと思う。
Yukkaの第一弾シングルは『代償の方程式』。
そう、ARTISTS LEAGUE「Z世代ステージ」にエントリーしたあの曲。軽快で勢いのある楽曲で、コロナ禍でたまった鬱憤を晴らすような、そんな爽快なロックナンバーに仕上がっている。YUKIKA時代のロック魂を踏襲しつつも、どこか洗練されていて、ステイホームの間にしっかり根を張って上へと伸びる準備をしていたんだなと実感した。2種類のMVの仕上がりも良く、現時点でYukkaの代表曲と言っても過言ではないだろう。
結局、一年延期されたKSMB10ファイナル。
各アーティストも状況が変わり、コンテストを辞退する者、ネット配信でファン増やす者、制作やスキルアップに時間を割く者など時間の使い方は人それぞれだが、あと2ヶ月と迫ったコロナ禍の中でYukkaはどのように挑むのか。シングル第二弾『エラーコード』を含めYukkaとしてどの3曲を選択し勝負するのか。興味は尽きなかったが、ほぼぶっつけ本番であろうことは想像に難くなかった。
そして、時が来た。令和3年3月6日、KSMB10ファイナル〜サンピアンかわさき。
コロナ禍の開催なだけに、コロナお知らせシステムの登録や検温、ソーシャルディスタンスの徹底等で無事開催にこぎつけた。
いよいよ待ちに待ったYukka登場。
一曲目は予想通りの『WHO AM I 』
まずバンドとしてガツンとかますには、YUKIKA時代に激しくそして想いを込めて唄ってきた"挨拶がわり"のこの曲は納得の選曲。
しかし、緊張していたのか全く1年前の状態には程遠い。メンバーも一人代わっていたとはいえ、Yukka自身の調子もなんかおかしかった。
二曲目は意外な『First Plan』
1年前のバンドライブのセトリにはあまり組み込まなかったアコースティック曲。割と人気があるからと迷っていたこともあったが、私自身は全く頭になかったので「おや?」という感じだった。この曲、個人的には息継ぎなしで早口で唄う部分に聴き応えを感じているが、会場がホールともなるとそのスゴ味が薄れたのは否めない。また、Yukkaの特徴でもあるが、呼吸音なども曲の一部に組み込み臨場感の演出をするが、それでも緊張のせいか、やたらと多いなと感じたのは私だけだろうか。結果論ではあるが、『First Plan』はあまり大きくない箱でのライブで聴かせるのがちょうどいいのかもしれない。これは好き嫌いの問題ではなく、あくまで、双方を聴き比べた結果に基づく個人の感想です。
三曲目の締めは『代償の方程式』
来た!初めてライブで聴く新しい曲なのでイントロからわくわくしたのを思い出す。ようやくエンジンがかかってきたのか声も出だして、Yukkaらしさが表現できていた。最後にらしさ見せてくれたYukkaに対し、私は首に掛けていたピンクのYUKIKAタオルを両手で広げて頭上に掲げた。かなり上の方の席を陣取っていたので気付くはずもないのだが、高揚した気持ちがそうさせた。
満足な出来ではなかったと思うがYukkaのKSMB10は終わった。
良い結果を持ち帰ることはできなかったが、関西からコツコツと関東遠征してライブを積み重ねた結果が評価され、それがコンテストへの出場に繋がり、ファイナルまで進出した。結果は、頑張りを見届けてきた私にとっても大変悔しいものになった。もう少しのところで逃した栄冠 …やっぱり悔しい。
独り言を言わせてもらえるなら、「あれだけ頻繁にやってた直前ライブでは『ユメノス』を入れて調整していたのにどうして外しちゃったの?」と。答えを求めているわけではなく、あの広いステージで完璧に仕上げた最高にカッコいい『ユメノス』を見たかった。聴きたかった。ただそれだけ。
そして転換期にもなるコロナ禍はYukkaを新たな境地へといざなうこととなる。
コロナ禍でもYukkaは精力的だ。コロナ前からかなり楽曲が溜まっているとは聞いていたが、CDをリリースするスピードが通常では考えられないくらい早い。コロナ禍のステイホームがさらに拍車をかけていたんだとは思うが…。
『赤盤』『青盤』
これはビートルズではなく、Yukkaのそれぞれ6曲入りとなるアコースティックミニアルバムの『STAGE1』の愛称だ。全部が全部アコースティック用に作られたものではなく、既にアレンジされたオリジナル曲を、アコースティックver.としてわざわざ入れている。しかし、それには理由があると思っていて、コロナ禍であることが収録曲に影響を与えているとみる。
Yukkaは賢い子だ。
コロナ禍ではライブハウスでの演奏はままならない。それなら路上でと。実際、大阪ではコロナ禍でも路上ライブを決行している。「トラブルにならなきゃいいけど」と、こちらが心配になるほど。当然、路上でバンドは現実的ではない。それなら弾き語り用に作り替えて路上で演奏できるようにしたらどうかと。それをCDにすることで、いま演奏した曲はこの中に収録されてますよと。そこまで考えての『Who am I』だし『ユメノス』だし『代償の方程式』のアコースティックverだと思う。
あっ、これって… 、偶然にも私がKSMB10ファイナルで聴きたかった3曲。これはどうでもいい話。
ストリートで頑張っているYukkaだが、その場で聴いて秀逸な楽曲はズバリ『平行線』。これは『青盤』に収録されている1曲で、切ない感情が爆発するサビの部分では、ギアを上げたYukkaの歌声に感動が抑えきれず、鳥肌が一気にゾワッとくる。正直なところ、こんな説明よりも是非生で聴いて欲しい楽曲だ。
弾き語りでここまでインパクトを与える歌や歌声にYukkaの成長を感じる。
Yukka、凄いよ!
そしてさらにシングルカットされた楽曲を含むバンド音源の5曲入りCDの『STAGE1』の『紫盤』だ。
公開されているMVでお馴染みの3曲のほか、ストリートでも良く歌われ、感情の起伏がうまく表現してロングトーンが聴きどころの『RAIN』。
そして、ドラマ主題歌になり得る可能性がありそうな『ツイステッドナイト』。「振り向かない」「戻らない」「夜が明ける」「陽が昇る」などの前向きなワードが並ぶ歌詞に、サビ終わりに高音で張りあげるシャウトと疾走感が実にマッチしていていて、嫌なことも忘れさせるようなスカッとする楽曲に仕上がっている。好きな曲だ。
カッコいいMVを期待してしまうが、期待だけで終わらないことを祈る。
徐々にコロナとの共存という形でライブハウスでのライブも可能になり、Yukkaは数多くリリースした楽曲を引っ提げてワンマンライブを計画。
Yukkaになって大阪で初ワンマンをバンドスタイルで「STAGE1」、続けてアコースティックワンマン「STAGE2」も成功させた。
その合間合間では関東初ワンマンに向けて横浜・川崎でストリートライブを展開しながら準備を進めていく。夏頃からは千葉にも活動範囲を広げて実に精力的だ。
そして令和3年10月。待ちに待った関東では初となるワンマンライブ「STAGE3」。
そこには私も居た。生バンドでのワンマン。白い衣装で颯爽と登場したYukka。ずっと見てきたライブハウスの同じステージなのに、どことなく大人っぽくなったなと感じた。もちろんコロナ禍で色々なことを抑え気味にしてるのはあるかもしれないが…。
Yukkaは9月に扁桃腺除去手術をしている。
術後のライブということもあり少し心配ではあったが、1曲目『創造的リフレーション』を元気よく歌い終え、「大丈夫そうだな」とは思ったが、一方で「まだエンジンかかってないのかな?」と最初の2曲を聴いて思った。あのコンテストの時にもエンジンのかかりが遅かったのを思い起こした。
セトリ的には新曲も相当数入っていて"リズムにのる"というよりは"聴き入る"状態が私的には多かった。個人的感想としてはもうちょっと新曲は抑え気味に、リリースした聴き馴染みのある曲をもうちょっとやってもらえたら、更に楽しめたのかなと思う。
アンコールでは3曲を披露してくれた。13曲歌った後で大丈夫かと思ったが、アドレナリンが出ていたのかもしれない。歌うのが怖かったので予定にはなかったという『平行線』を急遽組み込んでくれた。この曲はバラードながら喉に負担をかけるパワーソングなので負担が大きいのだろう。始まった瞬間、私は織田裕二じゃないけど「キターーー!」と心の中で叫んだ。そしてオーラスには『代償の方程式』。この2曲については前述した通りで、最後の最後にテンション爆上がりした。
Yukkaは裏切らないね!
来たる令和4年1月22日には関東では2度目となるワンマンライブ「STAGE4」がYokohama mint hall (神奈川)で行われる。
そしてご存知の通り、現在、この「ARTISTS LEAGUE 〜Z世代ステージ」に挑戦しています。
ざっくりダラダラしたレポートになり、なかなかうまく伝わらなかったとは思いますが、Yukkaは本当にユニークな存在の子です。好き嫌いは当然あると思いますが、歌とのギャップを楽しみつつ、これからのYukkaを優しく見届けていただけたらと思います。
最後に、このレポートは、あくまで私の記憶を呼び起こしながら書いたもので、もしかすると事実との齟齬があるかもしれませんがご容赦ください。
ありがとうございました
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