かわむらいさみさんを紹介されたのは離婚後子どもと会えなくなってる当事者の支援をしている時だった。とにかく曲が良いから一回聴いてくれと言われ、その曲を聴いた時に感じた感想は、この人は何で今まで注目されなかったんだろうと不思議で仕方なかった。それから3年ほどのお付き合いの中で、彼ほど不運な男はおらず、なぜか不可抗力なアクシデントが次々と彼のチャンスを奪う場面を何度も見て来た。それでも彼は不屈の精神で明るく、決して諦めない。

呆れてしまうほど、底抜けにお人好しで、愛に溢れて、純粋で、優しい。彼の天才的とも言える作詞能力は、彼の性格から来ているのか、独特の世界がある。感受性と感性は誰にも真似できないものがある。そして直感的で行き当たりばったりの様で、計算され尽くしたかの様な作詞作曲をこなし、頭の中はどうなっているんだろうと驚かされる編曲もこなし、彼のギターは痺れる程上手い。

彼のファンもまた、温かい人ばかりだ。彼のライフはいつも優しさと愛で溢れている。そして笑いも。

彼は、ある日、突然、子供に会えない人たちの為にと1つの曲を作ってくれた。それがRe:member だ。思い出と言う意味、そしてバラバラになった家族が、仲間がもう一度1つになれたらと言う思いを込めて。この曲は、当事者を勇気づける曲になっている。コロナ禍直前に完成した曲はタイミングが悪く、お蔵入りのような状態になっていた。しかし、この曲にどうにかスポットが当たらないかと、暗中模索の中、今回のオーディションで、彼が選んだ曲がこれだった事に、私たちは感謝と祈りを込めて全力で応援したいと思った。

彼はこの先もどんどん伸びる伸びしろがあるアーティストだ。年齢など関係無く、時代も関係なく、長く愛される曲を作り続ける。彼のベストアルバムを作ろうと思ったら、挿入しない曲を選ぶ方が苦労する。すべての曲が名曲だからだ。

多くの人を笑顔にし、希望を与え、口ずさむ曲を作る。コロナ禍や戦争など混沌とした時代に人々に生きる事にエールを送る歌を歌い続ける。ストリートで歌い続ける彼に、今度こそスポットが当たって欲しい。だから私は彼を応援します。

頑張ってね、かわむらさん。