アラフォーに捧ぐHIP HOPサウンド
【Hyper アイドルステージ】ARTISTS LEAGUE Grand-Prix 2023
開催日: 2023/09/03
はじめまして。ラジオDJの中村アキヒロと申します。
楽曲の目線から応援レポートを書いてみようと思います。
僕は存在の見えるPがいるユニットが好きです。
Perfumeには中田ヤスタカ
ももクロにはヒャダイン(ほか)
モー娘。にはつんく♂
もちろん坂道をはじめとした秋元康さんも。
いずれも共通点として、メンバーがPの音楽を愛してやまないこと。
リスペクトとともに音を楽しんでいる姿を見るほどに「推せる」と感じるものです。
長崎発の5人組アイドル『スマートオブジェクト.』にもPがいます。
キリエPです。
メンバーそれぞれへの言及は他記事が良くできているのでそちらをご参照ください。
ラジオDJらしく、サウンド面からスマオブ.の魅力をお伝えします。
キリPの音楽的ルーツはHIP HOP。
おそらくDEEPでDOPEなところまで吸収しているハズですが、
表面に出してくるサウンドはかなり取っつきやすいところが魅力です。
NewJeansを筆頭にY2Kリスペクトサウンドの特長です。
基本的に作詞・作曲はキリPで、ギターは生音、それ以外は打ち込みです。
ギターは言わずもがなですが、打ち込みまでもしっかりとこだわっています。
たとえばYouTubeでも公開されている、
アコギのアルペジオメインで進行していく中で、Aメロでは8分で刻まれるベースライン。
Bメロでやや動くようになっていき、サビで一気に横ノリを開放させる気持ちよさがたまりません。
しばしブレイクしたあとに来るラップパートではスラップベースとワウペダルでリズムの波状攻撃がやってきます。
一度緊張させたあとに来る大サビは、全ての伏線が回収されるような多幸感に包まれながらアンセムで仕上がる完成度です。
ライブでのキラーチューンと名高い
4つ打ちリズムのザビスタートで言わずもがな上げてくるテンション。
高音の効いたリフイントロ、後ろノリのベースラインで脳みそを揺さぶると、
スクラッチで情感豊かなスマートにまとめ上げます。
サビでは全ての伴奏がシンプルになります。それまで彩ってきていたメロが今度はメンバーの力強い歌唱を支えます。
ギターソロではファズ系の高音歪みでテンションは最高潮へ。
ソロ後はブレイクし、シンセのみでエモーショナルに。
ここから曲の最大の見せ場として転調がやってきます。
緊張と緩和が物語の基本ならば、楽曲の基本は緩和と緊張でもあるはずです。
「艶やか」と「鮮やか」での韻踏みも完璧な歌詞です。
アウトロのギターソロは鳴きサウンドでしっかりと締まります。
公式音源ではありませんが、ライブの1曲目では
SOB侵略作戦 は進化を遂げた究極のガールズジャパニーズラップです。
近年の目覚ましい女性ラッパーの台頭はご存知の方も多いでしょう。
Awichにちゃんみな、あっこゴリラといったフェスシーンを賑わす面々。
彼女らは突然スターダムに上がったのではなく、無名のころからあらゆる音楽を貪欲に吸収しての今があります。
そんなガールズジャパニーズラップに果敢に挑戦しているのが
この『SOB侵略作戦ver.X』(山桃4人体制時代)です。
リリックとしては各メンバーの紹介です。
ベースラインでお気づきとは思いますが、Boney M.のダディ・クール風で70sファンクをリスペクトしているのが伺えます。
ここでもキリP得意のスクラッチは炸裂していますね。
途中で「やまと魂」とフレーズが入るのですが、リリックに魂入れてくるのなんて
『山田マンの侠の魂込めた語り』並みの最強パンチラインです。
ラップのトップランカーの性差が関係なくなる、まさに『いよいよ壁はなくなるぞ』って
個人的に感じています。
上記、3曲のみ簡単な楽曲解説でしたがいかがでしょうか。
スマオブ.の楽曲はHIP HOPのみならず、FUNKやSOUL畑を通った方にもしっかりとハマるサウンドです。
Dragon Ash/山嵐/ケツメイシ/KICK THE CAN CREW
あたりのY2K J-HIP HOPが青春だったアラフォーの方々。
ビジュも強いが、サウンドも強い。
キリエPの存在は無視できません。
長崎発「スマートオブジェクト.」のサウンドいかがでしょうか?
ラジオDJ
中村 アキヒロ
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