【夕月ティア】感情を歌うVSinger
ぶいみゅ pre. Vマッチ vol.1 《セミファイナルA》
開催日: 2022/10/28
『感情を歌うプロジェクト』
それは去年2021年8月1日から9月5日までの6週間にかけて、「感情」をテーマに投稿された6つの歌ってみた作品群の総称、プロジェクトの名前である。
予選の最終日に自分にとっての夕月ティアとは?を長重ったらしく語ってしまったので、セミファイナル直前である今回は、この6つの歌ってみたと、今年8月に第7作品目として公開された歌ってみたに焦点を当ててレポートをしたためようと思う。
「感情を歌う」プロジェクトの再生リストはこちら
【注意】ここにしたためる事はあくまで個人の感想・解釈です。本人がこの曲に込めた意図や裏話を知りたい方は夕月ティアのFANBOXの「にんじんさんプランノーマル」(500円)以上で見られるティアのブログvol.9~13をご覧ください。
#1「決意」―輪廻転生 / まふまふ―
ー生まれ変わりますー
(概要欄より)
「感情を歌うプロジェクト」の幕開けを飾ったのは歌い手・まふまふの『輪廻転生』のカバーだ。
まふまふの曲といえば女性でも喉が張り裂けそうなほどの高音域や強いメッセージ性が印象的だ。『輪廻転生』という曲も実際に歌ってみれば分かるが、音域という意味でも表現という意味でもサビでかなり声を張り上げる必要が出る。暴力的とも言えるこの曲の強いメッセージ性を表現するのは至難の業だと思う。
この曲に込められた感情は「決意」。
それまでユニットを組んでいた相方が金星に帰還し、自身の活動の進む方向に悩み、その末に運営から独立して"完全個人勢"として活動を続けることを選んだ彼女。
「あの世ってやつは居心地いいよな。誰もここには帰らないもんな」
「僕は生まれ変わる」
曲が元々持つメッセージ性と共に、そんな彼女の短命と言われるVTuberの世界で生きることを選んだ"決意"がひしひしと伝わる歌ってみたである。
#2「怒り」―アンドロイドガール / DECO*27 ―
ー誰もー
(概要欄より)
第二作目はDECO*27の「アンドロイドガール」。感情は「怒り」。
第一作目に続いてパンチの効いた選曲である。元はボカロ曲だが、かなり彼女なりのこの曲に込めた感情が表現された、人間らしいカバーになっている。
これは夕月ティアの歌ってみたにおける魅力だと思うのだが、ただその曲をなぞるのではなく、アレンジ、表現力などにおいて、その曲を見事に自分の作品としている(と私は思っている)。
アンドロイドガールは「怒り」という感情の表現において、彼女自身の感情が歌声にしっかり出ているように感じられる。
#3「葛藤」― 徒花の涙 / はりーP&ウォルピスカーター ―
ー天と地の狭間、孤独の中、彷徨い続けていたー
(概要欄より)
第三作品目は はりーP及びウォルピスカーターの『徒花の涙』。感情は「葛藤」である。
第二作品目までと打って変わって、雰囲気の落ち着いた曲であるが、全体的に感情を揺さぶってくる作品になっている。
始まりは静かだが、後半につれてどんどん歌声に力が入っていく。Cパートで落ち着いた次の瞬間、ラスサビで今まで抱え込んでいた葛藤を、心の叫びを開放するように盛り上がりのピークが来る。きっと彼女も、悩み葛藤する日々があったのだろう。
「あなたの心を揺さぶる歌を歌いたい」
そのキャッチコピーに相応しい歌を歌っていると思う。
はりーP、ウォルピスカーターといえば、夕月ティアは過去に『泥中に咲く』の歌ってみたも出している。こちらもオススメである。
#4「決別」― Henceforth / Orangestar ―
ー背中を押してー
(概要欄より)
第四作目はOrangestarの『Henceforth』。感情は「決別」。
これまた打って変わって、Orangestar特有の爽快感のある曲だ。
投稿者は他の人の『Henceforth』歌ってみたもこの時期に聴いていたが、その人の歌ってみたと歌い方、表現が確かに異なっている。他の人も含めて、それぞれ異なる想いを持っており、そしてそれを各々表現し切っていることが伝わった。
夕月ティアの『Henceforth』は、Aメロの心の中で噛みしめるような歌い方から、サビでの遥か遠くに行ってしまった人に向かって気持ちをぶつけるような、遠く空をつんざくような歌声が印象的な歌ってみたである。
#5「反抗」― 不可解 / 花譜 ―
ー大人はずるいから嫌いですー
(概要欄より)
第五作目は花譜の『不可解』。感情は「反抗」。
Aメロがポエトリーディングで構成されており、静かながら確かな強いメッセージ性を持った曲だ。
この歌ってみたも、それまでの曲のように力強く、声を張り上げている訳ではないのだが、息遣い、声の端々から感情の揺れが伝わり心に訴えかけてくる作品になっている。
感情を揺さぶる歌とは、ただ力強く、気持ちを込めればいいという訳ではない。
ある種夕月ティアが持つ表現力が十二分に発揮されていると思われる。
#6「理解」― 好きなことをやって生きていけたらいいのに / 傘村トータ―
ーがんばれー
(概要欄より)
8月から6週連続で投稿された歌ってみたのトリを飾る第6作目。
傘村トータの「好きなことをやって生きていけたらいいのに」。感情は「理解」
今までで最もしっとりとした選曲、歌ってみたとなっている。歌声も全体的に優しいが、ラスサビにかけて芯の強さが感じられる。
夕月ティアはそれまでにも歌配信にて傘村トータの楽曲を歌っており、その様子から夕月ティアなりに曲に対する想いが感じられる。
リアルタイムで彼女を追っていた身としては、今までの歌ってみたの背景には"完全個人勢"としての独立という出来事があるように感じられる。#1「決意」の項目でも触れた通り、一連の出来事の中で彼女は自身の存在について"葛藤"したと思われる。色んな感情を抱え、悩んだ末に彼女は大好きな音楽の道を、VSingerとして活動を続けることを選んだ。しかし、好きな事に情熱を注いでいくのも楽な道ではないのだろう。
「それでも諦めないさ。だからがんばるよ」
「でもそうじゃないからって捨ててしまえないよ」
彼女はそれでも諦めずに自身の好きなものに向き合った。
この曲は、色んな出来事を、悩みを、感情を経た彼女が導き出した答えで、ある種これも決意の表れなのかもしれない。
#7「贖罪」― 贖罪 / 傘村トータ ―
夕月ティアが紡ぐ感情の歌物語は6作目にて終幕したかに思われた。
しかし約1年後の8月9日、活動3周年、そしてそれを記念するワンマンライブを目前に控えた彼女はある歌ってみたを投稿した。
ー区切り、けじめ、そして贖罪ー
「夕月ティア 感情を歌うプロジェクト」
「#7 -贖罪-」
(概要欄より)
相方の引退、独立から1年、完全個人勢VTuberとして駆けて来た彼女。
元々交流の幅は広い彼女だが、この1年間でたくさんの新たな出会いと変化があっただろう。
この贖罪が何に対するものかなどは計り知れないし、考えるだけ野暮だろう。
だが、きっと1年前から抱えていた、そして1年を経て抱えた、6作品の歌ってみたプロジェクトだけでは表現しきれえない想いがあったのだろう。
彼女の歌声は優しい一方、切ない。
「ごめんなさいを言わなかったこと」
「ごめんなさいを簡単に言ったこと」
「ありがとうを言わなかったこと」
「ありがとうを勝手に期待したこと」
Cパートを歌う彼女の声は儚く、今にも涙が零れ落ちそうな声だった。
しかし、その涙を振り切るように歌い上げられるラスサビは視聴者の心に真っすぐ届くであろう。
「ああ 今日も少しずつ生きていこう」
最後にそう歌う彼女の声はただただ温かい優しさを携えていた。
この言葉はきっと、曲の歌詞というだけでなく、彼女の本心の言葉だろうと感じられた。
以上、今回は「感情を歌うプロジェクト」について語らせていただいた。
改めて述べるが、このレポートはあくまで個人の感想、解釈であり、歌唱者本人の意図とは異なる恐れもある。しかし、感性の異なる他人の言葉を読むよりも百聞は一見に如かず。よければ実際に聴いて、歌唱者の込めた想いを自分なりに感じてみてほしい。
「感情を歌うプロジェクト」再生リストはこちら
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。また、セミファイナル中のレポートでお会いしましょう。
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