Komomoさん、決勝蝉ファイナル進出おめでとうございます。

蝉といえば、「恋に焦がれて鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」という言葉が有名です。Komomoさんの歌声は、目に見えて赤々としたメラメラとした炎というよりも、目に見えないけれど内側で誰よりも熱く揺らいでいる青い炎、という印象です。その灯りはとても繊細で、でも確かな熱をもってずっと続く温かな灯りです。

蝉ファイナルが行われるのは聖夜。まるで常闇を明るく灯すキャンドルのように、Komomoさんの歌は私たちを温かく照らしてくれるでしょう。優しくもあり切なくもあり穏やかでもある魔法のビブラートに、きっと心まで震えるはずです。

聖夜に舞い降りる天使ならぬ妖精の声に、ぜひみなさん耳を傾けてみてください。

　アーティストリーグ、どの参加者さん、応援者さんも愛にあふれていて、みなさんのコメントやレポートが、音楽をより豊かにしているように感じました。歌い手の思いと聴き手の思いとが重なって、音楽はどこまでも自由に広がりますね。
　さて、熱い戦いを終えて振り返ったときに、やはり印象的なのはKomomoさんとファンのみなさんの間にある『絆』です。この熱戦を勝ち抜いた楽曲名でもある『絆』。Komomoさんらしく切ない歌ですが、その胸の中で静かに灯る、未来を信じられる確かで温かな絆が、垣間見えたように思いました。
　素敵な時間をありがとうございました。

komomoさんの声の特徴は、何といってもその透明感。彼女の歌を聴くと、まるで天使が通ったようだ、といつも思う。見えないはずの歌声の通り道が、はっきりとそこに見えるのだ。彼女の声は、決して地面に落ちない。ふわりと私たちの心まで飛んできて、きらきらと光り、やがて、すっと空に溶ける。初めて聴いたとき、彼女が"北の妖精"と呼ばれていることがとても納得できた。

その秘密は、彼女の体の使い方にある。まず、まるで肩で息をしない。一度だけ斜めを向いて歌う動画を観る機会があったのだが、それはそれは美しい横隔膜の動きであった。声が伸びるのも頷ける。斜腹筋(腹斜筋)のみにテンションが偏ると力んでしまうが、彼女は発声もとても上手だ。よく脱力して喉を開け、息中心の声で歌う。ひっかかりのない流れるような歌声は、息の使い方とお腹の使い方のバランスが絶妙だからであろう。

そんなkomomoさんの歌うジャンルは、至上の歌姫高橋真梨子から今流行りのヨルシカまで、実に幅広い。決して声真似ではなく、どの曲も彼女の色で歌い上げる。その表情がまた良いのだ。その音形のもつ切なさや鋭さや甘さを見事に感じとり、表現してみせる。

komomoさんの歌に癒され、明日もがんばろうと励まされる人は多い。このどこまでも透き通った優しい歌声を、多くの人に知ってもらいたい。彼女の歌が、北の大地から全国に届き、光の雨を降らしますように。