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あの日の言葉覚えてる?

Elizabeth.eight スタジオミニライブ配信『のぞき穴』10/21

開催日: 2025/10/21

東北に住む私にとって夏の終わりはとても淋しい。


雪が降れば諦めはつくものの…暑すぎる気温も、絡みつく湿気も、全てを焼き尽くすかのような太陽の光も終わると分かるとなんだか惜しくて、惜しくて…堪らない気持ちになる。


 


東北民の性かもしれない。


 


1年の半分は寒いか雪。


田んぼや山しかないから雪が降って風が吹けば視界は0。


夜降れば翌朝は田んぼに車が刺さっているのなんてざら。


「稲のない季節で良かったね。」なんてご近所さんを慰めたりする。


太陽が恋しいと思っても待つしかない。


その気持を毎年、夏の終わりに抱きしめる。


 


そんな秋の訪れを感じながら、ベスハチのプレイスでのライブをリアルタイムでは見られないけれど今年もとても楽しみにしていた。


 


毎年、そんな鬱屈とした気持を吹き飛ばしてくれる。


ベスハチは私の太陽なのだ。


夏が過ぎても燦々と、雪が降っても心に火を灯せる。


 


普段の薄暗いライブハウスとは違う。


明るく降り注ぐ太陽と青々とした芝生。


広がる海をから駆け上がってくる風、


柵のないステージ。


 


今年はどんなライブを見せてくれるんだろう。


ワクワクしていた。


 


今年のプレイスは様々な事情で何時もとは様式が違った。


 


ステージはフロア丸ごと。全芝生がステージだった。


 


音出しでこふじさんが飛び出して行き、ミワさんがお衣装をはためかせて飛び出して行ったのを確認してすでにノックアウトだ。


現代のロック界のジャンヌ.ダルクそのもの。


向かい風もなんのその、美しさと靭やかさを手に突き進む様だった。


 


このロックバンドはどこでもカッコイイ。


知っていたけど、この飛び出していく様を見たら私の理性も本体を置いて何処かへ飛び出していった。


画面越しで本当によかった。


現地で見ていたら卒倒していただろう。


 


NANA世代である私は漫画のキャラが動いたらこんな感じだろうなと言うのを妄想して楽しんで来た。


まさに今、それが見られると言うとんでもない幸せを味わった。


 


ああ、完璧すぎる。


真っ直ぐ立ったそのシルエットも、はためくお衣装も、波打つシールドも。これが漫画で無かったらなんなんだ?と混乱した。現実に居たのである。


あの、バンドは。


 


私が拝見した動画は当日参加された方の目線のカメラでそれぞれ見ている所が違って面白かった。


 


音出しの「ロットガットで飛んだ」は音出しと言うには完成されすぎていた。


 


「ギターはいい音出てますかーーー??」


「ドラムは皆の心に響いてますかーーーー???」


 


「オッケー」


 


音出しも観客の心を掴む為にされている様なエンタメ感。


 


一曲目は


「アインシュタインの果実」


 


https://youtu.be/gULv5PVy5EI?si=NCqaJE_JxwfDmors


 


普段のステージとは違う、歩きながら観客を一人、ひとりと射抜いていく。


「7秒だけのキスがしたい」 


で観客の手が次々に挙がった。


こふじさんも、しゅんじさんも芝生へ出て「魅せる」プレイ。


楽しそうに観客に「魅せ」つつも次の「7秒だけの〜」の時には大佐の待つテントの下へと戻る。


 


あぁ、生で見たかった。


現地で卒倒するかも知れないけど、これは見たかった。


今年最大の後悔である。


動画やカメラ機材の発達に本当に感謝した。


 


2曲目は「アイアンガール」


ベスハチ定番の女の子の応援歌。


ボーカルのミワユータさんは歌いながらさっきよりも更に客席に突き進むと、女の子達の手を握り前にご案内していた。


その様子を見ていたしゅんじさんとこふじさんがニコニコしながら演奏していて、何時ものカッコ良さとは違うまた新たな楽しそうな面を見つけて嬉しかった。


手を引かれた人だけではなく、ソレ以外のひともパラパラと前に詰めだした。


ベスハチの周りに人垣ができ始めた。


その人垣が曲に合わせて笑顔で拳をあげる。


青い空と緑の芝のコントラストに、人の笑顔。なんて素敵な空間だろう。


 


3曲目「シック・ア・ゴー」


曲が始まると芝のフロアはすっかり陽気なダンスフロアになっていた。


歌いながら客席のカメラに向かってアピールするサービスタイム。


曲中ミワユータさんが「皆、最前がどこだかわからないんでしょう?」とお召しのジャケットをサッと芝生に落とされた。


「ココがベスハチの最前!!!」


その言葉と共に更にぎゅっと前に詰めた人で興奮と幸せの密度が挙がった。


 


「去年、私が言った良いことをするとエエモンに生まれ変われるって話、覚えてる人いる?」と前に居た男性客2人に「来世への幸せな誘い」をして回る。


 


正に神。


 


神は音楽だけでなく、来世迄も操るのだ。


彼らの来世が幸せである事は約束された。


 


「ミワユータの喋りが一曲分だからね!!3曲しかやらない!!」


 


と言うと曲ラストまで周りに笑顔を作り、人々を音楽の中に巻き込んでいく。


ステージのメンバーさんも、観客も皆笑顔で揺れて手を上げ音と一体になっていた。


歌い終わるとミワユータさんはサッと後ろへ振り返り、何をするのかと思ったら…


フライヤーの束を持ち客席に手渡ししていった。


手の出る限り何処までも、演奏が終わる頃ギターのこふじさんが「あれ?本当に居ない…?」と言う様な動きをしつつも神はフライヤーの旅に出ていて戻っては来ない。


 


最後の1音が弾けると、こふじさんだけでなく周りのお客までも「ボーカル?ボーカル何処行ったー?」「ユータさんどこー?」と探していた。


 


ボーカル不在のエンドロール。


しかし、お客は口々に「たのしかったー!」「最高!」という声が聴こえた。


 


明るい空に、観客の嬌声が響くラスト。


なんて素晴らしいステージだったんだろう。


ライブとはこんなにも人を幸せにできるのだとこの一部始終を見て思った。


 


夏へ恋焦がれる気持ちもなんだか上手く消化出来そうだ。


 


来年の夏が来るまで、私は何度もベスハチに助けられてこのライブを思い出していくのだろう。


 


「初対面ですが、愛しています」


初対面の人が多いであろうフェスで、


そう言うベスハチの真髄をみたライブだった。


 


 


 


 


 

投稿者

おなつ

2025/10/22 14:33

けにー!!

No.2355599

画面越しでここまでの臨場感を引き出せるなんて…
すっばらしいです!
2025/10/27 20:05

minaco

No.2355577

ナイスレポート❤
2025/10/22 19:05

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