毎週月曜日午後9時、コンポーザーピアニストである朝香智子さんのYouTube生配信が始まります。朝香智子さん、通称あさぴさんの素敵なピアノ演奏と楽しいトークを聴きながら、全国にいる視聴者さんたちとチャットを通じてつながっていく心地のよい時間は、週の始まり特有の憂鬱さを払拭してくれます。あれ？この感じ、なんか懐かしい‥そうだ、ラジオのDJ。あさぴさん、ラジオのDJみたい。時折そんな風に感じていた私にあさぴさんからRadio Star Auditionに応募したという嬉しいお知らせが舞い込みました。

彼女がラジオのDJみたいだと感じた理由は癒しの声や司会進行のうまさだけではありません。時折彼女から発せられる言葉がとても深いのです。それは彼女がプロの道を選んでから、数々の困難な経験をし、それを乗り越えてきたからだと思います。ある日のこと、生配信中に所謂荒らしと思われる方から書き込みがありました。そんなときもあさぴさんは平常心でYouTube側に報告。その後、「みなさん、人の悪口はいけませんよ〜。悪口を言った人は結局その人のところにそれが返ってきますからね。」と。

現在は関東を中心に活動しているあさぴさんですが、最初は関西で活動を始められたようです。なんと最初はあの吉本所属。今でもお笑い芸人の方をリスペクトしていらっしゃいます。時折トークに織り交ぜられるユーモアは関西人ならではかもしれません。時に大笑いし、時に感動して泣いてしまうあさぴさんの飾らないお人柄は多くのリスナーさんたちの心を開いてくれるでしょう。私も生配信を聴きながら、何度泣かされたことか。笑いたいときは笑い、泣きたいときは泣く。そして嫌なことは翌日には忘れて前を向く。あさぴさんの自然体でポジティブな生き方に彼女よりかなり歳上の私も励まされています。

彼女のお人柄がよくわかるエピソードをもう一つ。彼女は昨年末、女性ピアニストさんたちのお祭り、レディピアノフェスタ、通称レピフェスを主催しました。レピフェスを主催するに至った理由を生配信で語っています。「自分はこの業界ではもう若くはない。これからももちろん、もっと上を目指していくのだけれど、前を歩いている先輩として、これから頑張っていく人たちがしなくていい苦労をしなくてすむよう、苦労は先に走っている人が潰していけたらと。これからの人たちが通る道を作ってあげないといけないと。私がやることで、後からやる人がもっといい形でやれたらいいなと。」DJのオーディションを受ける決断をしたのも、ネットピアニストさんたちが頑張っている姿をもっとたくさんの人たちに知ってもらいたいという純粋な願いから。レピフェスのときにも言ってました。「みんなで大きな渦を作りたい」「ピアノを大好きな人たちの輪をもっともっとつなげていけたら」とにかく、熱い人なのです。

「走った距離は裏切らない」と野口みずきさんもおっしゃっていました。あさぴさんがこれまで歩んできた道のり、数々の経験は必ずやあさぴさんの力になると思います。ご自分を信じて突き進みましょう。あさぴさん、応援しています。

※文中の朝香智子さんの言葉はご本人がおっしゃったことを私が編集したものです。