しばらく忘れていた情景。
【sonar-u community】歌詞の情景描写について【ゲスト:糸原淳也】
開催日: 2021/09/13
大学時代、文学を専攻しておりゼミも
物書きを目指すものを選んでいたため、
とても興味深く拝見させて頂きました。
バイトのような形で出版社で4年間仕事を
したのも良い経験となりました。
残念ながら家の事情により、物書き業には
つけず全く違うものを生業としておりますが
やはり言葉を紡ぎ、自分なりの表現をする、
という作業への憧憬は今も変わりません。
歌詞というのは、小説やレビュー、日記や
雑文とも違い、音楽があって初めて生きる
特殊な文章表現だと思います。
長さも限られ、1フレーズに入れられる
ワード数も限られてしまうため、なかなか
表現したいことが、うまくはめられない。
そんな風になることも、しばしばです。
そしてまさに情景の表現でも、季節ひとつ
を表すにも、曲により全く違う単語や景色を
選択することになるんですよね。
ゆったりとした気だるいAORなどならば
夜の海辺のドライブや、果実のカクテルに
潮風、揺れる髪とかを思い浮かべますが、
サザンやORANGERANGEのような、
弾けたサマーチューンなら、ビキニや胸元、
アバンチュール的で、焼けた砂浜やパラソル
と昼間の灼熱のビーチが浮かびます。
女性ボーカルの切ない恋愛ソングなら、
花火や、夏祭り、浴衣等が定番のようです。
夏の歌詞をひとつ書くにしても選ぶ単語や
言葉、紡ぎ方や並べ方で、全く別物になります。
情景となると、なおさらに表現が難しく、
実態のない、空気や温度や匂いまでも含め
そこにある全てを含めて初めて情景、が
伝えられると思うのですが、いざそれを
文字に変換しようとすると、無力さを感じ
このままこの情景を切り取って文字に変換
できるソフトやアプリがないものかな?
と考えてしまいますw
雨あがりの匂いや温度、空気や清々しさ、
それらを選び綺麗に磨きあげ、並べ変えて
ああでもない、こうでもないと試行錯誤。
さらにここに、大前提として「音楽」という
また別の表現技巧が入ってくるのです。
ものすごく難しいジグソーパズルを組む
ように、あれやこれやと逆さまにしたり
他のピースと変えてみたり、行き詰まって
別の箇所をすすめてみたりするのです。
決まった枠組みの中に、ピースを並べて
ぼんやりとしていると、ふと景色が見えて
そこから空気や温度や匂いまでが浮かんで
あっ。と情景が出来上がる瞬間があって、
まさに最後のピースがはまってパズルが
組みあがるような、たまらない瞬間があって
だからこそ、文字表現という分野は病みつき
になるのです。
そしてまた正解もないため、いつまでも、
どこまでも終わる事なくにやにやしながら
またわざとバラしたり、はまらないピースを
無理矢理はめこもうとしたり、言葉遊びが
止まらなくなってしまうのです。
楽曲において、トラックと歌詞とどちらが
重要か、主役か等は無いと考えています。
両方がうまく噛み合い、綺麗に音と言葉の
両方が乗り、はじめて楽曲になると思います。
素晴らしいトラックを聞けば、その音を
生かすどころか、さらに昇華させるような
聴いた人がまるでその世界を疑似体験できるような、風が香るような、まさ情景が
浮かぶような、そんな文章表現が出来たらと
勉強させて頂きました。
今となっては本業の文字表現は論文ばかり
となっていましたが、7年前に毎日頭だけ
野焼きの里山や、海辺の遊歩道、繁華街や
息ができないほどに舞い散る桜並木などに
飛び回っていた事を、mudiaと出会い、
思い出しました。
情景。
これが上手に表現できたとき、曲は命を
吹き込まれて生き生きと色がつき、香りを
運び温度を感じられる楽曲になるのだと思いました。
今後もまた少しづつmudiaで勉強させて頂き
本業の堅苦しい論文のリフレッシュのため
脳だけ旅に出て、その情景を書き留めて
みようか、という気持ちになれました。
楽曲に関してのレクチャー番組はたびたび
見かけますが、歌詞のしかも情景という
ものに焦点をあてての講義はなかなか無い
と思いますので、素晴らしい場を与えてくださり感謝しております。
今後も楽しみにさせて頂きたいと思います。
長々と失礼いたしました。
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