なぜ私は他人の挑戦でこんなに一喜一憂するのだろう。

なぜこんなにも落胆し悔しいと思うのだろう。

日曜日の夜は移動が多いのでネットの回線状況がよくないことが多い。この日もそうだった。

何もできなかった。気づいたら22:00になっていて戦いが終わっていた。

結果は、Semi Final Bグループ2位。1位との差はわずか。

悔しさが溢れる。勝てなかったことに対してではなく、何も力になれなかったことに対して。

敗者復活戦に気持ちを切り替えられたのは日付が変わってからだった。

結果が出た瞬間は途方に暮れた。何も考えられなかった。

それでももう一度前を向けたのは彼女自身が何一つ諦めていなかったからだ。

配信で語られる彼女の思いの一言一言が、深く心に刻まれる。彼女の本気と覚悟が溢れている。

そんな彼女の思いが通じたのだろうか。何と審査員賞でファイナル進出が決まった。

嬉しかった。まだ挑戦できる。まだ力になれる。まだ木下直子を応援できる。

私は思う。勝ちたいんじゃない。ただ彼女の思いに応えたいんだ。彼女の願いを叶えたいんだ。

結果それはこのオーディションに勝つことを意味するわけだが、本質はそこじゃない気がしている。

このファイナルに残っている皆さんはそれぞれ強い意思を持って参加されていることだろう。その思いに順列はない。優劣も大小もない。

審査員賞で救われた最後の機会。悔いを残さないファイナルにしたい。

すべての思いをここに置いていく。

木下直子は灯台だ。

すべてのライブハウス、すべてのアーティストに光を。あたたかく優しい光を。