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わさびより痺れるかも

Elizabeth.eight(ベスの弾かせ語り)出演! としぞー寿司presents 「お寿司とお酒と弾語りVo.l4」@吉祥寺 BAR&LIVE Planet C

開催日: 2026/05/29

※弾かせ語りのレポートです※


 


ゴッホが描いたような涼し気な月の夜だった。


昼間の暑さを忘れるひんやりとした風に窓を空けながら真っ暗な橋を渡っていた。


携帯で弾かせ語りを聴きながら車の運転をしていたら静かに流れて来た


『揺籠と棺桶』


優しいギターの音、滲む様な月明かりに真っ暗な橋を照らすヘッドライト。
対向車は無い。
窓から湿気を帯びた風が入ってくる。


ミワユータさんの声で紡がれる歌詞。
視界が狭まり、喉の奥が苦しくなる感情。


何と表現するのが正しいのか分からない。


短く深いブレス


『死んでも良いと思った…』


コレが私の人生の終わりでも構わないとハンドルを握る手に力が入った。
相反するかのように涙腺が緩んだ。


優しいレクイエムの様。


今まで人生で受けた傷が全て癒された。



今この瞬間、この歌を知ってる私はなんて幸せ何だろうと揺れる視界の中で思った。


このまま、この幸せな気持ちのままこの一級河川に車ごと飛び込んだらどんなに幸せな気持ちのまま人生を終われるだろうかと考えた。


『世界の終わりの話を 今 ここで敢えてしよう』



『二人で眠ろう ねえハニー』


若い頃に知らなくて良かった。


生きるために聞けなかったかもしれない。


優しさを履き違えて居たから。


今なら分かる。


大丈夫。一緒に未来を見よう。
生きていこう。大丈夫。


飼い猫を撫でるかのような滑らかな優しさ。


歌詞の中に『ねぇ』と問いかける言葉が入るから尚更真っ直ぐ『聴いている人』に刺さってくる。


ミワユータさんの生み出した言葉が白い文字になって少し欠けた月に照らされてゆっくりと落ちて来るようだ。
土に染み入るまえに心に広がって染み込んでいく。
生きていく為の水脈を作るのだろう。



あの時ついた自分への嘘がじわじわ広がって自らを苦しめたあの時の私。


手を伸ばしたら届くのに。伸ばさなかったあの時。


半歩踏み出して戻ったあの日。


情けなくて、苦しくてトイレで声を殺して泣いたいつかの日曜日。


全部、ぜんぶ溶けて消えていった。


優しさとは寄り添う事かも知れない


揺籠と棺桶。



『愛情を自覚した時から 始まった孤独とも寄り添い 捨てて失くして手に入れて 今ここにいると強く言える』


愛された記憶が人を強くして脆くする。
知らない感情は求めようがない。
愛されたからもっと愛されたいと思う。
もっともっと愛したいと思う。
足りないと嘆く。


『嘘をついてまでも どうしても守りたいものがある それが脆い地面でしか成り立たないものだと知りながら』


歌詞カードを眺めて知った気になっていた言葉はミワさんの声でありありとその意味を教えてくれている。


そうだ。
真っ直ぐなその言葉に全てが込められている。
ダイジョウブ。
この世は『棺桶という揺籠』だから。


全てを赦されたような、解放感。



橋を渡り切る頃、憑き物が落ちたように清々しい気持ちになった。


 



傍らの携帯電話からは楽しそうに話すミワさんの声が聴こえていた。
アクセルを踏む脚に力を込めた。


明日も頑張って生きて行ける。そう思えた。


バンドサウンドとは違う弾かせ語り。
歌詞が生き物になって心に潜り込んでくる。

投稿者

おなつ

2026/06/02 22:53

あおい!

No.2357644

ふつくしいベスハチ文学…!
おなつさんの文章はベスハチの世界観を一層艶やかに輝かせてくれて、本当大好きです…!
素晴らしいレポをありがとうございます!!!
2026/06/02 23:08

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