詞の二面性と曲の多様性
【sonar-u community】音楽ルーツと創作の関係とは?【ゲスト:谷村咲月】
開催日: 2021/07/12
谷村咲月さんは現役女子大生なんですね。予習で動画を視聴したときは失礼ながらそれほど衝撃を感じたわけでは無かったのですが今夜の番組をみて感心することだらけでした。シンガーソングライターとして活動を始めてまだ1年とは意外でした。小さい頃からの音楽との関わりに深みを感じます。クラシックピアノから始めたアーティストは数多くいるけれどその後ドラムもギターも独学で身につけたことはやはり天性の素質があってのことだと思います。
「性格ブス」の歌詞についてのイケチン先生の分析がいつものように鋭いですね。標準語と関西弁の混在することから彼女の二面性を見抜いてしまう。それを包み隠さず等身大の自分をストレートに表現することで同じような境遇にいるひとに伝える。実は彼女の目標としてたことだそうでなるほどなと思いました。しゃべり歌いしかできないという咲月さんに対して地声が説得力あるとフォローするイケチン先生。音楽は伝えることが大事だとソナーユージさんがまとめてくれましたが全く同感ですね。
落ち込む時に曲が生まれるという咲月さん。「気持ち雨予報」は涙が止まらなかったパニック状態の時に携帯のメモから書き起こしたということ。身を削って感情的になったものをそのまま歌に切り取るってすごいとイケチン先生。クラシックの手法がそんな感じだということ。私的にはフォークソング全盛期はそんな歌が多かったなとふと思いました。
中学でブラスバンドに入りパーカッションを経験したということ。本当はバンドでドラムをやりたいと思ったのがきっかけだったみたいですが結果的にはこの経験が貴重なものになったのだと思います。ブラバンのリズムセクションって音楽的にすごく成長できると思ってます。高校時代に突然倒れることがあったときに歌をアウトプットしてみようという気持ちになった。そのエピソードは並の人ではないなと感じました。ここが分岐点だったのですね。
作詞作曲方法について。基本的にノンフィクションは詞が先だということ。詞が先の場合はメロディラインやブレスの入れ方が現代的手法だとイケチン先生。自然にそれになっている咲月さんはやはり才能があふれているのですね。
バンドでドラムをプレイしてたときにドラムコーラスを頼まれた。そのうちに自分がメインで歌いたいという欲望が生まれたようです。だけどバンドを組むほどではないからまずひとりでやってみようと弾き語りを始めた。作詞作曲活動も本格的に始めたということです。ここでまたイケチン先生の鋭い指摘。ギターのストロークにドラムがいい効果になった。体幹がリズムを刻むからギターを弾くのに手先だけでなく腕でしなる。なるほどだから力強く感じるんですね。納得できました。
咲月さんの曲のルーツについて。好きなアーティストとしてあいみょんさんをあげた。もしかしたらあいみょんさんがブルーハーツとかパンク系の影響を受けているのではないかということでした。ここで核心に迫るソナーユージさん。彼女の二面性についてです。ハッピーな時と涙止まらない時とどちらも等身大の自分。ひとつの曲の中に相反する自分がいる。「光らない」という曲を例にしてイケチン先生が完全に哲学だと。ご本人は気づかず歌っているけど側からみればそれが魅力なんですね。ひとりバンドできるくらい楽器ができるから表現者としてもいろんな角度から楽しめる。めちゃくちゃ得してますねって言ったソナーユージさんの言葉が結論になりましたね。今日も深い番組が見れて良かったです。
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