音楽は間違いなく世界共通語。
でも好みは一人一人違うと思います。
そして世の中には星の数ほどの曲があって、日々生まれ続けています。
レビューはその数多の曲の中から少しでも興味を持って頂く為。
または、たまたま目にした見知らぬ人達がたまたま読んで下さり「どんな曲なのかな」「どんな人達なのかな」と思って頂き、今まで知らなかった方々に知ってもらえる為にあると思います。
ただ、今は沢山の音楽を様々な方法で聞けるようになりましたし、色々なジャンルが融合して出来上がった曲も多いので、演歌やボカロみたいな振り切ったジャンルは別として「これがロックだ」とか「これはパンクだ」とかそういう明確な指標が分かりにくくなってきているように思います。
いわば言ったもん勝ちみたいな気もしますし、同じ曲でも聴く人によって違う表現をするかも知れません。
なのであくまでも一個人の意見ではありますが、ほんの少しでも読んで下さった方の参考になればと思います。
ニルフィニティは確固とした世界観がありながら曲によってジャンルが違ったり、様々な要素が融合されているので言葉で上手く表現するのが難しいバンドです。
知り合いに薦める場合「ポップスだから聴いて」みたいに安易に説明できないのが悩みの種ですが、裏を返すと、ジャンルの枠に収まらないその多様性がまた魅力の1つでもあります。
大枠としてはロックバンドなんだけど、重厚ささと妖艶さとエッジを足してもらって、それをクラシックとグランジで割ってからカッコ良さを掛けて、ちょっと歪ませた上で文字が小さめの長編小説にして、インダストリアル調で全部黒のヴィンテージ家具のある薄暗い部屋の隅っこで月明かりで眼帯をして片目で読んでる感じ、カーテンは紫…
とか説明したら確実に「は?」って言われます。
なので聞かれた場合「ジャンルはニルフィニティ、とりあえず聴いてみて」としか言えません。
言葉はイメージを制限してしまう気がするので、本来ならジャンル名などの具体的な言葉はあまり使わない方がいいとは思うのですが、今回はあえて言わせてもらうと「アニソンっぽい」です。
ニルフィニティはダークな雰囲気が軸となっているバンドなので、歌詞に関しても所謂ポジティブに頑張ろう、楽しい、嬉しい、幸せ!みたいな明るいものは殆どありません。
様々な音色で複雑に構成された、音楽に関しては捻くれたような感性の橘さんが作る楽曲と、その曲毎のストーリーに寄り添った歌蘭さんの紡ぐ歌詞は、聞けば聞くほど新しい発見がありどんどんその世界観に引き込まれる気がしています。
ただ今回のエントリー曲「ゼロイノン」に関しては、歌詞といいポップさを感じる分かりやすいメロディーラインといい、ニルフィニティにしては異例と言っても良いほど前向きです。
なのでファンとしてはアニソンぽいと思うのかも知れません。
勿論この曲で初めてニルフィニティを聴く人は「いや、ダークでは?」と思う方もいるとは思いますが、それはこのバンドの指標となっている「らしさ」でもあります。
「~ぽい」という言い方はしない方が良いのではと先述しておいて矛盾するような気もしますが、それはレビューを書くにあたってという意味です。
現在のミュージックシーンを席巻しているアーティストは、やはり曲を聴くだけで声が入っていなくても「あの人の曲だろうな」と言うのが分かるんじゃないかと思います。
そういう意味でも自分達の持ち味や武器を明確に持っているバンドだと常々思っています。
持論ですが人生はRPGと似てると思います。
経験値をどれだけ積むか、経験値を積む為にどんな行動をしたか、何をしてきたかとかが全部自分を形成する要因となり、闘える武器となり、それが今のレベルになっているという考え方を私はしています。
当然何もせず動かなければレベルは上がらない。
例えばですが、レベルが高い奴しかいなさそうな洞窟にスタート直後でに行こうとは思わない。
ゲームをした事がある人なら、まずは時間を掛けて経験値を上げ、その場所に行ける実力や自信を身に付けてから挑戦しに行くと思います。
ニルフィニティは実力主義の音楽業界で活躍できる実力を既に持っていると思っていますが、お二人共常に明るい道を順風満帆に歩んできている訳ではありません。
今はバズるという言葉もありますし、タイミングや運で一夜にして上に行ける人もいます。
勿論それも素晴らしい事だと思いますが、いきなり上の景色を見るのではなく、下から徐々に登って来ている人の方が慢心したりせず足元を掬われないのではないかと思います。
高い場所にいる者ほど落ちたら酷いことになるものだと何処かで聞きましたが、地道に努力をし、自分の武器を磨き、レベルを上げ続けているからこそ今があるんじゃないかと思います。
所詮運命は回り続ける輪のようなもので運に賭けるしかないこともあるかも知れませんし、その運を掴める人と掴めない人の差はあるかも知れません。
その因果は誰にも分からないとは思うけど、やはり幸運は備えある人の所に訪れるんじゃないかと思っています。
そしてお二人はそろそろそれを手にして良いレベルまで来ているはずです。
長くなってしまいましたが、ここまで読んで下さってありがとうございました。
ファイナルまで進むことができ、色々な方に曲を聴いてもらえる機会を下さった事を運営の方々に感謝致します。
百聞は一見に如かずと言いますし、まだ聴いていない方の為にYouTubeのリンクを貼っておきます。
まずはゼロイノンを聴いて頂き、他の曲やライブでのパフォーマンスも観て下されば幸いです。
お二人の真骨頂は動きのあるライブパフォーマンスだと思っていますので、観て下さればその意味が分かって貰えるかと思います。
拙い文章ではありますが、私のレビューでまだ知らなかった方が1人でもいいのでニルフィニティに興味を持って下さいますように。
最後にニルフィニティのお二人へ。
ファイナル進出おめでとうございます。
結果がどうあれ、私達ファンはいつも側で応援しています!
そしてその皆の想いが少しでもお二人の力になれば嬉しいです。
常に勝負の世界に身を置いていると、たまには疲れてしまったり弱音を吐きたくなったり挫けそうな気分になる事もあるかも知れません。
そんな時は私達が背中を押している事を思い出して欲しいです。
1人の力は弱いかも知れませんが、皆で一緒に支えています。
これからもマイクとギターを武器に、いつもの自信満々の不敵な笑みで突き進んで下さい☆
https://youtu.be/WgIFCOf-LE8