歌詞の考察を書こうと思ったのですが…

初めて聴いた時、最初の一文で惹きつけられた。この曲。

※NOREADY号

忘れた頃に夢で見てしまう
昔の犬や優しい君を
起きたら涙を流してる事
もう逢えない事が共通点

信じることはとても難しい
目に見える物ばかりに頼って
あの時君の本音を見逃し
欲しいものだけを口で並べた

発射のベル　準備もなく　人生の特急列車は
あたしを乗せ　後悔も撥ね　どこまで行くのだろう

走るだけ　Let's Go! NOREADY号！
走るだけ　Let's Go! NOREADY号！
走るだけ　Let's Go! NOREADY号！
走るだけ　Let's Go! NOREADY号！

出会いも別れも突然降って
あたしは時に頬を濡らすけど
止まる事のない列車で思う
誰よりも今君に逢いたいよ

走るだけ　Let's Go! NOREADY号！
走るだけ　Let's Go! NOREADY号！
走るだけ　Let's Go! NOREADY号！
走るだけ　Let's Go! NOREADYGO!！　

この曲について考察書こうかな、なんて迂闊にCDを聴き直した私は直ぐに後悔した。

考察どころの騒ぎではない。

この曲はベスハチの初期のアルバム「ハチミツゲロン」に入っている。

黄色と黒の2色刷りの歌詞カード。

ボーカルミワユータさんの目元が印象的な表紙。

何度も開いて聴きながら見たのでペコペコに歪んでしまっている。

この歌詞カードを持ち、意気揚々とNOREADY号を再生したら曲冒頭のミワさんのブレスに全部持っていかれた。

命だ。

この歌は生（ナマ）。
生きてる。

この曲もこの歌詞も生きてる。

息をしている。

当然と言えば当然だ。

でも、CDの向こうの気道の音に「生きている」実感に不思議な気持ちになった。

あぁ、生きてるんだ。

ベスハチは都合のいい夢じゃなくて、ミワユータさんは存在して、ベスハチは存在して、本当に生きてこの曲を紡いでいるんだ。

ワンフレーズごとに素早く、鋭く、時に大きく小さく入るブレスの音に耳を澄ませた。

気管支、その形までも分かる位に。

命の音だ。

なんで、この曲だけこんなに分かりやすくブレスが入っているんだろう…

NOREADY号が恋愛と人生の歌だからだろうか。

後悔を抱きながら人生を「生きる」歌だからだろうか。

鋭いブレスは電車の警笛の様だ。

出会いも別れも一瞬で過ぎ去っていくという表現なのだろうか。

単純に曲調に合わせた編集だからなのかもしれない。

細かい事は素人の私には分からないけれど、確実に言えるのはこのブレスの音が色んな思考をぶっ飛ばしてこのNOREADY号についてしか考えられなくなってしまったのは確かだ。

この曲はライブでは観客が皆、拳を上げフロアが波打つ。

大佐の打つドラムが鼓動。
こふじさんとフカミさんが送り出す動脈。
しゅんじさんの巡る静脈。
ミワユータさんの呼吸。

生命体なのか。

ベスハチは完成された生命体なのだ。

結局歌詞の考察は1つもせずにただ興奮して何度も聴き返しては「生きてるっ！！」とトキメイて、あぁ、いいものを聴いた…と布団に入った。

最近友人が「あなたは自己昇華型のオタクだから…」と褒めてくださって、確かにそうかもなと思った。

推しがいて、勝手に盛り上がって勝手に幸せになっている。

全くもって幸せな性分。

レポートをコンスタントに書くようになってつくづく思う。

普通からしたらちょっと気持ち悪いファンかもしれない。

でも、もしかしたらメンバーさんは「キ〇〇イだって構わないよ」って笑ってくれるかもしれない。

考察では有りませんでしたが何だかとても嬉しくて、楽しくて一曲でしかも歌詞でも曲調とかの事でも無く、息一つでこんなに大人がワクワクすることは他にはないだろうと思う。

あぁ楽しかった。