類稀な親近感
Radio Star Audition 【Final】
開催日: 2021/02/26
シンガーソングライターAATA。彼女の代表曲のひとつである「Airport」のRemix ver.が7inchアナログ盤でリリースされた際に、それ以前の「あーた」から「AATA」へと進化を遂げた。
あーた時代の自作曲もJ-popの枠にとらわれないジャンルレスな作品が所狭しと並んでいたが、AATA時代へとステップアップしてからは、ネオシティポップの歌姫として飛躍的な変貌を遂げ、音楽的により深くより味わい深く醸成を重ねつつある。
しかし、あーた時代に培ったものを置いてきてしまった訳ではない。音楽性のほかにも、変わらずに彼女の楽曲をしっかりと支え続けているものがある。
それは詩の世界。あーた時代の作品を聴くと、メロディーもさることながら、歌詞に籠められた人間味溢れる優しい言葉の数々によって、いつの間にか彼女の織り成す作品世界に誘われている。
そんな彼女が今目指しているもの。それは視覚を離れた純粋に聴覚の世界であるラジオのステージで自らを表現し演出し、それによってリスナーとともに歩んでいくこと。
ステージ上でスポットライトを浴び、ハイトーンの美声とテクニカルなギターワークに心を載せ、ひとりひとりのオーディエンスを魅了することにおいても、彼女は抜群のパフォーマンスを発揮してきたと思う。
しかし、彼女が有する類稀なもうひとつの能力であるトークを武器に、オーディエンスに向けた一方通行の発信ではなく、不特定多数の様々なリスナーとのキャッチボールを通して、より大きな世界に歩みを進めて行こうとしている。
彼女のトークは、詩の世界で培ってきた表現力に、もって生まれたナチュラルな感性と耳に優しいシルキーヴォイスが重なり、聴く者の心に自然に寄り添ってくれる。
それは、極めて月並みな言い方をしてしまえば「親近感」に他ならない。しかし、たとえ使い古されありふれた表現だったとしても、電波に乗って不特定多数の耳に届くラジオという媒体にとって「親近感」こそはなくてはならない最も重要なファクターではないだろうか。
長かった一日を終え、様々な気持ちを心に抱えながら迎える就寝前の夜のひととき。彼女の声がラジオから聴こえて来る。嬉しさはより大きなものとなり、悲しさはそっと忘れさせてくれる。
そんな素敵で日々の生活になくてはならない番組を送り出してくれることを信じ、AATAを応援したい。
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