私とベスハチの出会いは遠い昔でした。

東日本大震災。

色んなものを失って失意の中。

またライブハウスで爆音を浴びたい。

生きる楽しみが欲しい。

立ち上がれる強さをくれる音楽が欲しい。

何かお目当てのバンドが居たら楽しいんじゃないか…とユーチューブで「仙台　バンド　女性ボーカル」で検索したのだ。

検索に上がってきたのは、金髪の女性。

ボーカルのミワユータさんだった。

彼女はステージが始まると「初対面ですが、愛しています！エリザベス・エイトと申します！どうぞよろしく！！」

そんな！！

私が欲しかった「愛」を、会ったことの無い女性がくれるのか！！！

脊髄が言った。

「アイサレタイ」

「ワタシヲアイシテクレルノ」

「ワタシモアナタガホシイ」

文字に起こしたら完璧な頭のおかしいヤツ。

そんな衝撃だったのだ。

そこから暫くはネットに上がってる動画を見るだけで収まっていたが、子どもを産んでまた人生に生きづらさを感じた時「仙台でライブは久しぶり。」とツイッターに上がっているのを発見してしまった。

もう、これは会いに行くしか無い。

またいつ死ぬとも知れないこんな世の中。

こんな生きづらを抱えて生きる位なら子どもを預けてライブに行って文句を言われる位。屁でもない。

出会ってしまった。

目が合ってしまった。

もう、だめだ。

完全に虜。

完璧過ぎる。

圧倒的な存在感とライブパフォーマンスに私は撃ち抜かれた。

そして、私には若くして亡くなった知人がいた。

彼女はとても美しく、ロリータのよく似合う女の子だった。

亡くなってから知ったが、彼女もベスハチが好きだったのだ。

彼女はもう、新曲を聴く事が出来ない。

ライブに行くことも出来ない。

メンバーに会うことも叶わない。

ならば私が全部叶えよう。

彼女が見たかったライブも全部見るし、彼女が聴きたかった曲も全部聴こう。

メンバーさんにも会いに行く。

限られた人生を最大限、楽しんでいく。

でも、忘れてはいけないのは私のベスハチが好きという気持ちは「彼女の為」だけの物ではないのだ。

心からの「信仰」。

好きを通り越して愛を孕んだ信仰そのものの気持ち。

年々大きくなるこの気持ちをどうしたらいいものかと自分でも思う。

でも、好きなんだから仕方ない。

6歳でエヴァンゲリオンにハマり今も変わらない。

ベスハチに20代で出会い今も変わらず「愛」は燃え続けている。

ミワユータさんが「初対面ですが愛しています。」と私の心に着けた火は消えること無く爛々と燃え続けているのだ。

人はコレを「変わっている」と言う。

そうだろうか？

枯れると言われている化石燃料も今はまだ枯れずに有るのだ。

例え、化石燃料が枯れても私の「愛」は枯れない。

だって、物凄い魔法をかけて貰ったのだ。

「初対面ですが愛しています。」

明日のライブはゴールドサウンズだ。

ベスハチ×ゴルサンは化学反応が凄い。

毎回度肝を抜かれるライブが配信でも楽しめる。

音に魂が乗ってくる。

今日は愛だの魂だのなんだか目に見えないぼんやりした話が多いが、かの有名な「星の王子様」も言っていた。

「本当に大切な事は目に見えないんだよ」

明日も師走の忙しなさをぶっ飛ばす脳みそバキバキのライブが楽しみだ。

生きていく上でベスハチのライブ、これ以上の魔法を私は知らない。